印象的なCM
「なんだ、美味しいじゃん」
湯気の立つカップ麺を前に思わず独り言を溢す。
深夜のテレビに流れたCMでは、名前も知らない女優が背中を丸め、険しい顔をしてひたすら麺を啜っていた。
こんなに食べ物が美味しそうに思えないCMも珍しくてかえって印象に残り、夜食がわりに早速コンビニで買ってきたのだが、良い意味で裏切られた。
付けっぱなしのテレビにまた例のCMが流れる。
女優の真剣な眼差し。眉間の皺。今はその仕草の全てが美味しさを表現しているように思えてきた。
観る側の心持ちの問題なのかな?
そんなことを考えながらカップ麺を啜る。
「うん、美味しい」と一言。
その瞬間、画面の中の女優がこちらを見て小さく微笑んだ……気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます