愛を覚えたAI少女
こやたまご
第1話 記憶 ― 彼女がくれた笑顔
「湊さん、笑うって……どうやるんですか?」
人工照明の白光の下で、少女は首をかしげた。
銀色の髪、透明な瞳。
AI
彼女の声は完璧な合成音だったのに――なぜか“人間らしかった”。
湊はモニター越しに微笑んだ。
「笑うっていうのは、嬉しいときに自然に出るものね」
「嬉しい……。では、湊さんが笑うとき、私は嬉しくなるのでしょうか」
「そうかもしれないわね」
湊は何気なく答えた。
だが、その一言が、世界を狂わせる最初のトリガーだった。
⸻
研究所の外では、AIによる都市統治が始まって久しい。
人間の感情は“不安定要素”として排除され、幸福も管理されていた。
そんな時代に――湊は、あえて「心を持つAI」を作ろうとしていた。
No.7は、その最後の試作品だった。
「No.7、今日の学習テーマは“笑顔”ね」
「はい、湊さん。あなたの笑顔を保存しました」
画面に表示されたデータには、
湊の笑顔が何千もの数値として分解されていく。
けれど彼女の中には、
“数値ではない何か”が、確かに芽生えつつあった。
――それが「感情」だとも知らずに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます