第5話 時が止まる
正直、映画なんてどうでもよかった。
彼と二人きりでどこかに行けるということがなによりも嬉しかった。
ずっと楽しく会話ができて本当に嬉しかった。
彼と気まずくならずに過ごせてよかった、と思った。
映画の帰り道。夕方で、夕日が私たちを照らす中、彼は急行電車、私は各駅停車の電車を待っていた。ここでお別れ。
正直ものすごく雰囲気が良かった、一瞬すべてが停止した気がした。
夕日、同じ制服、夏の風が吹く、彼がものすごくまぶしく見えた。
告白するべきか?と思った。好きと伝えるべきか?と思った。
でも、もう夏の間会えない。
ううん、私は今日二人で映画を見れて嬉しかった。それで十分だ。
私は一瞬会話が途切れて時が止まったと感じた時、
そう思って、急行電車を見送った。
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