第9話(ウブス降臨…日本人Kの眼前に)

T大学院生Hとの接触以降のウブスとHとの関係は順調に進みかなり発展して、Hは今ではウブスの協力者として動いているが、その辺りの話しはいずれする予定だ。Hと接触後、K大学院生Kともウブスは接触したのだが、Hより少々気を遣った。Kが天才に有りがちな、所謂変人、しかもかなりの変人だからだ。初めから話そう…。

 「私ウブスと申しますが、失礼ですが、Kさんでいらっしゃいますか。」

とウブス(原子体のヒカリ)がKの研究室に電話すると、

 「失礼なら、電話しないで下さい。」

と言われて切られてしまった。ヒカリはかなり驚いて、〈あまり使いたくないが、他心通でKさんの思いを読んでみるか。〉と考えてKの思念に意識を集中すると、〈失礼と思うなら、何で電話かけてくるんだ!こういう人が沢山いるな。言葉と行いが一致してない!気付けないのか!ま、いいか。〉というKの思いが分かった。ヒカリは、〈ちとこれはまずい。本物だ!時間かかるかもな。あんなに鋭い論文を書く人物がねえ。宿明通で観てみるか。…前世でも超優秀だが、かなりストイックな変人だったな。超いい人だけど…そうか、Hさんと同じで私達の弟子だったのか。〉と感無量の顔をした。〈ま、兎も角もう一度電話してみるか。但し、余計なことは言わず、事務的に話そう。〉とヒカリは思い、

 「先ほどのウブスです。Kさんと話したいです。」

と素っ気なく言うと、

 「いいですよ。どうぞお話し下さい。」

と呆気なく通じた。

 「kさんの都合の良い時間、都合の良い場所に私が伺って、顔を突き合わせてお話し出来ますか。」

とヒカリが聞くと、

 「明日17時、僕の研究室の応接間にお越しください。」

とK。

 「分かりました。宜しく。」

とヒカリが応えると、電話はすぐ切れた。〈コーも連れて行くことも言っておかないとまずいな。〉

 「ウブスです。Kさん、明日兄弟のコーという者も連れて行ってもいいですか。」

とヒカリがまた電話をかけて伝えると、

 「いいです。」

とK。すぐに電話が切れた。

 「明日、コーさんも来室。」

というKの思いがヒカリに伝わってきた。〈悪い人ではないけど、Kさんを苦手に思う人が結構いる感じだな。考えようによっては大光のイターナルプランに淡々と貢献出来る能力がありそうだ!〉とヒカリは希望が出てきた。

 次の日、Kの研究室のドア口でヒカリが、

 「今日は、ウブスです。」

と来訪を伝えると、

 「勝手に中に入って、奥の応接間のソファーで待ってて下さい。」

と、どこからか返事があった。コーとその応接間で少々待っていると、

 「今日の研究の仕事はさっき終わったので、御褒美に剣菱一杯やる時間なんですよ。日本酒ですけど一緒にどうです?貰いもんですけど。」 

と楽しそうに誘ってきたが、既にコップを三つ小さなお盆に乗せて持っている。ヒカリとコーは思念の中で〈コー、Kさんはなんかズレてるな。〉〈ヒカリ、お前もそう思うか。〉と伝え合っていると、 

 「遠慮しないでいいですよ。」

とKは無邪気に勧めてくる、

 「じゃ遠慮なくご馳走になります。」

と、ヒカリはコーに目配せしながら返事をした。コーは、

 「いつも仕事が終わると、一杯やるんですか?」

と聞くと、Kは、

 「つまらん押し付け仕事をやらされている時は一段落したら、『今日もよくやった御褒美酒』を楽しむ決まりにしたんです。それが何か?」

と言って、至極真面目な顔をしている。

 〈酒好きなところは、Hさんと似ているな。いずれ、HさんとKさんとは一緒にイターナルプランに参画してもら可能性が大だから、気が合うきっかけとなって好都合かもな!〉。ヒカリもコーも楽天的に考えた。






 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る