第5話(ウブス降臨…プラトの眼前に)
プラトは執務室にいた。〈チープは苦手だ。ルガルオとの取引で世話になったことは確かだし、スパイにも絡んだしな。だが、このままではイラクウ紛争はおさまらん…チープは飴と鞭が通用するやわじゃないからな…〉と思い悩んでいた。
「プラト、お主は人民が大切なのか?己の欲望実現が第一なのか?」
とヒカリは量子体のままプラトの思念の中に威厳をもって語りかけた。
「誰だ?記者か?何処から入って来た?」
とプラトは辺りに気を巡らした。さすが度胸がある、いや、鈍感なのか、平然としている。
「私はヒカリという者だ。今から姿を見せるから、大声を出さないで欲しい。」
と落ち着いた声で言い、姿を現した。さすがのプラトも強張った顔を見せたが、
「貴方は誰なんだ。どうやって姿を突然表せるのか?マジシャンなのか?」
と疑問の方が驚きより勝っているようだ。ポジティブな男だ。
「先程言ったように、私はヒカリという者だが、私が何者かはいずれ分かる。それより、お主がチープのようにルシファーの系譜に入るか否かは、これからのお主の権力の使い方で決まる、と心しておいたがよい!」
と忠告し、
「紛争や戦争、いや、侵略戦争は言語道断だ!それを止めさせるのをビジネスの取引と同列扱いにするのは良くない。ビジネスと考えても戦争がおさまればいい、と思っているようだが、そんなに甘くない!もっと、耐えきれない悲惨な被害を受けている人達に、家族に対するような愛ある思いやりや行いを第一に実行しなさい!」
と叱りつけ、続けて、
「私は暫く姿を消して、お主の心と行いを観ている。量子体という形で暫くの間、貴方の近くに居る、と思いなさい。」
と伝えてヒカリは姿を消した。
(言葉の概要)
ヒカリやコーが、いつの間にかチープやウヨジやプラトのそば近く居るのは何故か。光速移動出来るとしか考えられないが、第4話の①で述べたのだが、この能力を神足通と言う。
(ウブス降臨本文)
〈今のヒカリという者はマジシャンなのか、いやいや、そんな生易しい者じゃないだろう。実在しているとしたら、これはもう青天の霹靂以上のとんでもないことだ!自分の今までの哲学が変わってしまうぞ!何か手を打つか?…いや、暫く様子を見てみよう。〉と思いあぐねている。
ヒカリは〈プラトは、チープやウヨジと違って、私の存在そのものに気が取られている。これは現代世界の大カオスを落ち着かせていく為の端緒になるな。そんなに遅くない時期に、プラトにウブス降臨の事実と意味を理解させられるかもしれん。〉と希望をもった。
〈プラトの取り巻きも巻き込んだ方が速い。今度執務室に何人か集まったときに、私の存在をある程度オープンにするか。〉とヒカリは楽しみになってきた。
数日後、プラトの執務室にプラトを含めて四人が会議していた、
「ヤニタネは、このままにしておいていいのか?」
とヒカリは四人の思念の中に話しかけた。プラト以外の三人はビクッとして強張って周りを見回して、互いに顔を見合わせた。
「皆にも聞こえたか?私には前にもあったんだ。」
とプラトが言うと、スバという尊大な態度の男が、
「何ですぐに教えてくれなかったんですか!」
と叫んだ。
「何かのトリックかもしれないな!」
とビルという者が警戒している。
「とりあえず、シークレットサービスを増やしましょう。」
とセツベという紳士風の男が提案した。するとヒカリは、
「私はヒカリという者だ。プラトとは既に話しをしている。姿も見せた。私のことはプラトから聞いておくがよい。さて、ヤニタネをどうするか観ているぞ。私の姿は見えないが、君達の動きはしっかり押さえておくからな。」
と警告をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます