本音なの…?


※性的描写まではいかないとは思うんですけど、ほんの少しだけそんな描写があります。作者的にはほんの少しなので、苦手な方も大丈夫だとは思いますが、一応注意書きしておきます!


では、本編お楽しみください。




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「はぁ…やっと今週の仕事終わるー」


今週最後の出勤日。

もうすぐ診療が終わろうとしている。



なんか今週長く感じたな〜

色々あったからかな…



最近、梨竹さんの可愛さを摂取しすぎている気がする…。こんなに頂いていいのかしらと思いながら、ありがたく頂く。

本人は与えてるつもりもないんだろうけど。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「「お疲れ様でした〜」」



仕事を終えて帰路につく。


家に帰ったら、ご飯とお風呂をぱぱっと済ませて早く寝ようと心に決めて歩く。





ガチャ…





家に入っていきソファーに項垂れて、疲れを吐き出す。


「はぁ〜〜つかれた〜…」


自分の家は落ち着く…




おっと危ない…このままでは寝てしまいそうだ。

早くいろいろ済ましてしまおうと、重い腰を上げた。





𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄



よし、あとは歯磨きだ。

ご飯やらお風呂やらを済ませて、もうすぐ眠れるというとこまできた。



シャカシャカシャカ……


歯は大事ですから!

しっかり磨きます!


歯科で働いてると歯の大事さ、歯磨きの大事さを痛感する。




ふぅ…スッキリ!


あとは寝るだけだーー!



ウキウキで愛しのベッドへ向かっていると…





ピンポーン


「ん?」


こんな時間に誰だ?

不思議に思いながらインターホンのカメラの映像を見る。



「え……?」



そこには愛しのベッドよりも愛おしい、かわいい女の子が映っていた。


なんでだ?何が起こってる?ん?


パニックになってるのに、反射的に体が動いた。

駆け足で玄関へ向かう。




ガチャ!




「あ!みほさんだぁ〜ふふ」



ふにゃふにゃしている。かわいい………


…ちがうちがう。見惚れてる場合ではない。

可愛さやら急展開にパニックになりながらも、目の前の天使に話しかける。



「な、梨竹さん…どうしたの?」


「あいにきましたぁ〜…ヒクッ…」


会いに来た…だと?

いや、真に受けてはならぬ!!

だってこれは完全に酔ってるよね…。


「とりあえず入って」


「はぁ〜い、やったぁ」


いつもより少ししっとりした、でも無邪気さも残っている笑顔で、なぜか喜んでいる。





入るや否や、ベッドにダイブする天使。

かわいい。

他の人なら許さないが、梨竹さんなら許す。

というか許すも何も嬉しいという感情さえ浮かんでくる。



「寝転んだら酔い回るよー」


「いいんですぅ〜、きもちぃ〜」



私の愛しのベッドを堪能しているようだ。

その状況を見て堪能するからいいよ。

…かわいいなぁ〜



「みほさんいっしょにおねんねしますかぁ?」


「なっ…!?」



なんという破壊力。

ベッドの上で無防備に寝転んでいる、頬を少し赤らめて色気さえ感じる梨竹さんから、添い寝を誘われた…だと??


最高じゃないかっっ!


頼んだぞ、理性。




「あ、いや、その、ちょっとお水取ってくるよ…」



内心のテンションとは裏腹に、私は目の前の、女神様の可愛さに耐えられる気がしなくて、戸惑いながら逃げた。

情けない様である。



冷蔵庫へ向かい、ペットボトルの水を取り出し、蓋を開けてから梨竹さんに渡す。



「梨竹さん座ってー、お水だよ」


「ありがとうございまーす、みほさんやさしー」



上体を起こし、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んでいる。

透明な水が白い首筋を伝うのを見て、息を呑んだ。

見てはいけないもののような、そんな気がして、目を逸らす…いや、逸らせなかった。

ガン見です。もちろん。



「みほさーん、こぼしちゃいましたぁ」


拭いてよと言わんばかりにこちらを見ている。

上目遣いで…


これ誘ってるようにしか見えないんですけど。


妖艶な雰囲気が漂い、飲み込まれそうになっている自分を引き戻し、拭くものを取りに行く。


(はぁ…なんなんだよ…理性持たないよ…)



「ふ、拭きますよー…」


「ふふ、くすぐったぁい…んっ」



おいおいおいおい…!?

そんな声出さないでくれよ!


拭いただけなのに、色っぽい声を出す梨竹さん。私の理性はギリギリもいいとこ。

でも、ちょっと、確かめたいので…



つんつん、さわさわ…


指で白い首筋を触る。



「んっ…やだ…」


「ご、ごめん!」



とてつもなく悪いことをしてる感覚になり、咄嗟に謝る。首触っただけだけど。

…やっぱり、首弱いのかな?


(くくくっ…良いことを知ったぞ…)


なんて悪いやつなんだ私は…。



相手が酔ってることをいいことに、ちょっと意地悪をして、大好きな子の弱点の情報をゲットし、喜んでいると…



「んぐ…ひぐっ…なんでぇ…」



「え、あ…どうした!?」


梨竹さんが泣いていた。

わけがわからない私は大焦り。


「え、首触ったの嫌だった?」


ぶんぶん…

首を横に振っている。

ちがうらしい。私は一安心する。



「んー、お腹空いた?」


「ちがう…うぅ…」


どんどん溢れる涙。

赤くなっていく鼻。


「えーっと、んーっと、どうしようかな…」


泣いている理由も分からないし、涙が止まらない梨竹さんを見ながら、あたふたしていると――



「なんでぇ…なんでわたしにハグしてくれないんですかぁ…ひくっ…」


「…ん?」


「わたせさんばっかり…やだぁ…ぐずっ…」


おっと…?なんだ?


「みほさんはわたしのなのぉ…」




えーーーっと?

整理すると…えー、梨竹さんは、私と奈緒がハグしてるのが嫌で、えー、私は梨竹さんのもの…ってことでOK?








いや、「私は梨竹さんのもの」ってなに。



どういうこと???



















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