第24話――絶対に…許さない
私は強く、目の前のバケモノを睨見つけた。
「家族?実にバカバカしいね。
コイツはもうすでに死んでいるんだ。それを家族だと?
バカにもほどがある」
猫はニヒルな笑みを浮かべ、私を嘲笑った。
「確かに、私はバカだよ。頭悪いし、こうゆう時に賢く論破もできない。
でも、これだけは言わせて。
花は私達の家族だ。幽霊でも、先生だかを裏切っても、悪人だったとしても…
私にとって花は、大切な人物なんだ」
「でも、その大切な花ちゃんが今にも死んじゃいそうだよ?大丈夫そう?」
猫はバカにするようにそう言った。
でも、死んでる人が死ぬ?どうゆうことだ?
私が首を傾げていると、猫は愉快に話し始める。
「そうだねぇ、死んでる人間が死ぬってことはもう、この世でもあの世でも、存在しなくなるんだ。
つまり、霊にもなれず、魂も粉々にされて、世界からいなくなる。
もちろん、転生も、生まれ変わりも無いよ。
悲しいよねぇ〜。あのバカ犬と一緒会えなくなっちゃうんだよ〜」
猫はにやりと笑い、私をバカにした。
正直、今、ものすごく焦っている。
花が死んでしまえば、もう一緒会えなくなる。私が生きていても死んでいたとしても…もう一緒会えないんだ。
そう思うと、なぜだろう。
すごく、さみしい。
だが…今はそれよりも。
「おいっ…じゃぁ聞くけどな。
花を死の間まで追いやったお前はなんなんだよ。
全部お前が悪いんじゃねえか」
「いや、あいつが弱いんだ。
もっと強いと思ってたんだが。残念残念」
人の命を、存在を、軽く扱う化け物に、私はものすごい怒りを覚えた。
腹のそこが、喉が熱くなる。脳は一瞬冷たくなった後、沸騰するように熱くなる。
私は声を荒げてこう言った。
「絶対に…お前を許さない!」
その声はこの学校中に、世界中に響き渡ったように感じた。
そして、私は、手に持っていた上履きを、振り上げ、
怒りと憎しみを込めて、思いっきり…
投げた。
この時は怒りに任せて投げてしまったが…、実はわたくし、全く球技ができないのである。
体力テストのハンドボール投げはいつでも2か3。
なのに、なんで投げてしまったんだ。
そう思っていた時。
「――ヒューン」
「――バコーン!」
私の投げたシューズが、ものすごいスピードで飛んでいったのだ。
周りが光に包まれ、激しい風が巻き起こる。とてつもない衝撃音と共に、建物の破片が飛んできた。
手がじんじんと痛む。
これは…一体、どうゆうことだ。
気づくと、猫は吹き飛ばされていて、廊下の端の方で力尽きていた。
学校はさっきに増してボロボロになっていて……。
って、は?
どうゆうこと?ハンドボール投げの評価が2とかの人間が、上履きぶん投げてバケモノ倒したってこと?
あり得ないあり得ない。
あまりにもバカげてる。
でも、さっきの怒り、声、あの気持ち…どれも初めて感じだものばかりだった。まるで、本当の私じゃなかったみたいだ。
前に目線を向けると、倒れた猫がいた。猫はピクリとも動かず、大きさも、先ほどよりも小さくなっている気がする。
私は猫に近づき自分の上履きを回収した。
「やっぱり、私が投げたんだよね?
それに、さっきの声もすごく響いたし…。あっ、花!」
そうだ、今は、私のことなんてどうでもいい。とにかく花の命を取り留めないと!
でも、死んでるから、死なないのか?
でも、霊的なあれも消滅するとかもありそうだから。
「花!大丈夫!?
花?ちょっと、花!
返事は?…ちょ…う、うそでしょ?
花?」
「……」
花の顔色は真っ白になり、呼吸も薄っすらとしかできていない。
出血もひどい。なのに、なのに…。
彼女の身体はとても冷たかった。
忘れていたが、花は幽霊であり、もう死んでるあっち側の人物なのだ。
そして、今更だが、猫の言葉を思い出した。
「幽霊が死ぬとしたら…その人物はこの世から存在を消される」
このまま花が死んでしまえば…幽霊としてでも、
この世に存在することができなくなる。
そんな…嫌だよ。
まだ、知らないことも、知りたいこともたくさんあるのに。
私は冷たい、小さな手を握りしめた。
もし、花が死んだら、私はどうなるのだろう。
前のような生活に戻る?
優子さんとの距離も前みたいになって…祓ちゃんともギクシャクするようになる?
それも悲しいけど…
花がいなくなるのが一番悲しいな。
本当にどうすればいいんだ。
誰か、花を助けてくれ。
私は花の手を力を強く握り、うつむいた。
すると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「お姉ちゃん。やっぱり…緊急事態だった」
「本当ね…花ちゃん!霊ちゃん!大丈夫!?」
優しく、包み込むような眼差しで2人は私達を見つめる。
なぜだろう、私はこの時、ものすごくホッとしたのだ。
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