第4章――ドキドキ♡花ちゃんのスクールライフ!と黒猫

第18話――ドキドキ♡花ちゃん初スクール!

 目が覚めると、眩しい陽の光が目の中に差し込んだ。外では綺麗な鳥の鳴き声が聞こえ、とても気持ちがいい。

 今日の朝ごはんはなんだろうな。

私は美味しそうなご飯達を想像し、お腹を一気にすかせる。

 ただ、何だかいつもより体が重い。まさか、少し太ってしまったのか?

我としたことが…恥ずかしい…。が…今はそんなの気にしてる場合ではない。

なんてったって、私は愛おしい朝ごはんが待っていてくれているのだから!


あぁ……なんて気持ちの良い朝なんだ!


 私が、ニコニコの笑顔を浮かべながら起き上がる。

と……


「おい、霊ちゃん。

今日から私とお前はずーーっと一緒だ」


 目の前には、いやっ、ものすごく近距離で花がいた。

しかも、いつもの花じゃない。

少しダボダボのセーラー服を着ていて、いつもよりその…何というか…色気が。

 胸元がガバ空きで、スカートも短いし、何というか、朝からハレンチすぎる。


 彼女は犬のように四つん這いになり、私によりかかってきた。

「昨日のはほんとにすまない。と言うか、もともとはお前を利用するために契約したんだ…」

 花は申し訳なさそうに目を潤ませた。

「そ、そうなの…?」

「だから…ちょっと慣れてきたら囮として使おうって思ってたんだけどなぁ。まさか、この私が負けるなんて…」

「まぁ、でも結果的には死んでないし。これから気をつけてくれれば…」


「それでだな!今日から私はお前のそばを離れない。そーすればアンタを守れるし、私は悪霊を狩れる。

どうだ一石二鳥だろ!」

 ベットから勢いよく飛び降り、にこやかにそう言った。

 確かに、そちらのほうが安全だが…。

「いやっ…霊感ある人がいたらどうすんの!?」

 そうだ、霊感がある人がもしいたとしたら…私は本気の本気で変人扱いされてしまう。

「大丈夫大丈夫!幽子も祓も賛成してくれたんだしよ!心配しなくても大丈夫だ」

 花は呑気に笑っていたが、私は苦い顔をしていた。

でも、なぜだろうか。

花の姿が、とても可愛らしい子犬に見えた。



そして、学校へ…。


 私達は朝の廊下を歩いていた。

「へぇ、なんかガキがいっぱいだな」

 そりゃそうだろ。と突っ込みたい気持ちを押さえ、私は話さない。

 だって、みんなには花のことが見えてないんだよ!

一人で喋ってる変人になっちゃう。

「おいおい、お前。なんか喋れよ

さみしいじゃんか…」

 シュンとした顔を見せた花は、歩くスピードを遅めた。私は少し小さい声で喋った。

「じゃあ…なんかテレパシー的なのできないの?

脳内で話せる的な…」

「そんな便利な機能、あるわけねえだろ」

「だって…昨日…」

 私は昨日の声を思い出す。不気味で、身の毛もよだつような恐ろしい声。でも…イケボだったんだよなぁ…。

 それが腹立つわぁ…。

「おい、昨日のがどうしたんだ?ニヤニヤしてさ…」

 私は思わず口を押さえた。こうゆうのが顔に出ちゃうんだよなぁ。

困った困った。


「それよりも、なんか騒がしいな。ガキだからか?」

「うーん。それもあると思うけど、確かに、いつもより騒がしいっちゃ騒がしいね…」

 私が教室に入ると、全員の顔が一斉にこちらへ向いた。皆なんとも言えない顔で私から目を逸らした。

何があったんだ…?

 私と花が不思議そうな顔をしていると、巫女さんが近づいてきた。少し不安げな顔をしながらな。


そして、いきなりこう言った。



「ねぇ、いい知らせと悪い知らせ、どっちから聞きたい?」



次回予告


巫女さんの言う悪い知らせといい知らせは一体なんなのか!?

学校内でまさかのトラブル発生?

花と私は巻き込まれて命の危機に!

次もお楽しみに!




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