第32話 オキザリス

「オキザリス」


その花を「園芸用酢漿草」と呼んでも構わない


オキザリス。


道にあれば「カタバミ」

ありふれた草

葉を噛むと酸味があり

旅人が渇きを堪えるのに食んだという

とてもありふれた道草


世界中のあちこちで

それぞれの花をつける


さてさて、我が家のオキザリス

こいつはどこから来たのやら

もとより在来のカタバミは尽きぬけど

秋から春まで咲く大輪は

どう見たって他所の生まれ


鳥が運んだか

土に紛れたか

空だったはずの鉢から

溢れんばかりに咲いている


この花に

人が与えた名はわからないけれど

ひとまず私は

今日も酸葉を食んでいる

(2025.11.21晴)

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