哀歌（詩歌抄）

第18話 もようがえ

もようがえ

夏の部屋から

冬の部屋へ

今年の季節には秋がない

涼やかなラグは

バリバリと剥がして洗濯機へ

遮光のカーテンは

ちまちまと外して洗濯機へ

洗って干したら

大掃除がひとつ減る

大きなホットカーペットと

ふかふかのラグを敷けば

リビングは冬のごろ寝空間に変わる

保温用のカーテンは暖かな色

合わせるのは長めのレース

冬に足りない花を刺繍で足して

フロントレースで華やかに

貝殻のガーランドを

サンキャッチャーに替えれば

午後の部屋に虹が踊る

来週にはストーブが要るだろう

温風の通り道を横目に見ながら

お気に入りの作業スペースを

いい感じに微調整

私のためのスペースなのに

居心地が良すぎて

いつも誰かが座っている

クッション

膝掛け

ルームシューズ

作業用のポンチョとチェアヒーター

冬籠もりの動物になった気分で

「部屋」を作り替えてゆく

私にとって模様替えは、

衣替えよりも大事な時間

今年の夏は暑すぎて

部屋での時間が大切だった

今年の冬はどうだろう？

この部屋と共に

冬を越えてゆけるだろうか？

私は、悩みに悩んで

今年も炬燵を見送った

（2025.10.31雨）