天使と悪魔のコトワザ遊び

西神ふてら

プロローグ・天使と悪魔

プロローグ・天使と悪魔

「ああ、暇だなぁ……」

 人間が住む下界とは異なるとある国に住んでいる悪魔がふと呟いた。どうやら悪魔は人の生活を見ることにも飽き飽きし、ただ空虚を見つめているようだ。

 そこに天使がやってきて言った。

 「なら、面白い遊びをしない?」

 「面白い遊び?」

 「そう、人間の世界には『諺』っていう教訓とかを示した言葉があるの」

 天使が続ける。

 「例えば、『口は災いの元』っていうのは、『うかつなことを言うと不幸の原因になる』てことを表している。みたいなね。」

 「それが?」

 悪魔が応える。

 「ただ人間を見るだけじゃ私もあなたもつまらないでしょ?だから、この『諺』に合っている人間の物語を探すの。『諺』に見合った人生を見つけた方の勝ち。どう?面白そうじゃない?」

 「うーん……まあただバカな人間を見ているよりか面白いか」

 悪魔が渋々、しかしどこか楽しげに言う。

 「決まりね!ゲームスタート!」

 こうして、天使と悪魔の不思議な遊びが始まった。

 

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