第20話 ……今回の戦利品、全部おかしい気がする
「さて、終わった事だし、報酬確認……」
予想外の戦闘となったエリアボス、《星晶獣骸・アステリオン・レクス》を何とか倒したクロは、回復薬をがぶ飲みしてHPを回復させ、その場で報酬確認を始めた。
疲れた頭と体を動かし、ウィンドウを操作し、戦利品を確認する。
『レベルアップ 15→20』
『ステータスポイント50を獲得 保有ステータスポイント50』
『スキル【採掘者】を獲得』
『スキル【ストーンハンター】を獲得』
『スキル【破壊の目Ⅰ】を獲得』
『スキル【ツルハシの極意】を獲得』
『スキル【万能視界】を獲得』
『スキル【逆境】を獲得』
『冒険者スキル【不屈の闘志】を獲得』
『モンスタースキル【結晶化】を獲得』
『モンスタースキル【収束砲】を獲得』
『モンスタースキル【外部操作】を獲得』
『ドロップアイテム【鉄鉱石】×57を獲得』
『ドロップアイテム【銀鉱石】×23を獲得』
『ドロップアイテム【ラピスラズリ】×18を獲得』
『ドロップアイテム【金鉱石】×18を獲得』
『ドロップアイテム【微熱の湧水】×15を獲得』
『ドロップアイテム【ルミナイトの欠片】×10を獲得』
『ドロップアイテム【ルミナイト鉱石】×5を獲得』
『ドロップアイテム【地核】×3を獲得』
『ドロップアイテム【星核】を獲得』
『初討伐報酬【星晶獣骸・アステリオン・レクスの目】を獲得』
『初討伐報酬【星晶獣骸・アステリオン・レクスの爪】を獲得』
『初討伐報酬【星晶獣骸・アステリオン・レクスの溶液】を獲得』
『初討伐報酬【星晶獣骸・アステリオン・レクスの魂】を獲得』
クロはしばらく画面を眺めていた。
並ぶ報酬の行数が多すぎて、最初のほうをもう一度スクロールしないと見返せない。
「えぇ……?」
報酬は多いし、やばいのが来る。それはスライム・ロードの経験から分かっていた。
だが、今回も討伐報酬の中身は想像を軽く超えてきた。
まずは初討伐報酬。試しに、【星晶獣骸・アステリオン・レクスの目】を確認してみる。
【星晶獣骸・アステリオン・レクスの目】
品質:SS
説明:高密度の鉱石結晶。大地の下を見通す事ができる。
用途:装備・錬金素材。
特殊効果:【地層透過】【地脈視認】。
「予想以上にやばい!大地の下を見通すって何!?」
素っ頓狂な声が出る。逸る心臓を抑え、次にいく。
【星晶獣骸・アステリオン・レクスの爪】
品質:S+
説明: 星晶獣骸の四肢を構成していた超硬鉱爪。鍛造に耐えうる強度と魔力伝導性を兼ね備える。また、単一の武器として装備可能。
用途: 武器素材・鍛冶素材。
特殊効果:【貫晶】【強撃増幅】。
「良かった。比較的普通だ……普通か?」
感覚が麻痺している可能性に頭を悩ませつつ、次を確認する。
【星晶獣骸・アステリオン・レクスの溶液】
品質:S
説明: 星晶獣骸の内部循環を担っていた特殊鉱液。空気に触れるとゆっくり固化する特性を持つ。
用途:装備・錬金素材。
特殊効果:【魔力伝達率補強】。
「これは……色々と悪さができそうだ」
一瞬、かなり悪い顔をする。慌てて戻して次。
【星晶獣骸・アステリオン・レクスの魂】
品質:EX
説明: 星晶獣骸の中枢に宿っていた高純度結晶魂。膨大な地脈魔力の記憶を内包している。
用途:特殊装備素材。
特殊効果:【星の魔力】【無限の器】【生命の記憶】。
「えげつないの再び!?」
クロは頭を抱えるようにして、魂の説明欄を何度もスクロールし直した。
文字が変わっていないのを確認してから、深く深く息を吐く。
「…………よし、次」
【星核】
品質:S
説明:極めて稀な高純度エネルギー結晶体。
用途:装備素材。
【地核】
品質:S-
説明:大地の力が凝縮した鉱核。強烈な地属性魔力を宿し、単体でも強力な魔道具として機能する。
用途:装備素材。
【ルミナイト鉱石】
品質:S
説明:高純度の光属性鉱石。内部に星のような光粒を宿す希少鉱石。
用途:装備・魔法装置素材。
【ルミナイトの欠片】
品質:A
説明:ルミナイト鉱石の欠片。これだけでは何もできない。
「うーむ……品質Sからおかしくなってる」
やはり、超えられない大きな壁があるのかもしれない。
「……さて、スキルの確認いきますか」
報酬アイテムのインパクトで頭がガンガンするが、取得スキルの数もなかなかに狂気だ。ウィンドウを切り替え、スキル一覧を開く。
【採掘者】
効果:採掘成功率が上昇し、低品質鉱石のドロップ率が減少する。採掘時の追加取得判定が発生する。
「神スキル来たぁ!」
素材集めにおいて、これ以上ないくらいの神スキルだった。
【ストーンハンター】
効果:鉱物系モンスターへの与ダメージが10%上昇。鉱物破壊成功率が増加する。部位破壊成功時、追加素材獲得判定が発生する。
「鉱物系モンスターって、他にもいるのか……?」
坑道を探せば見つかるだろうか。
【破壊の目Ⅰ】
効果:耐久値の弱点部分を可視化する。破壊可能部位に攻撃した際、クリティカル率が上昇する。
「Ⅰって事は進化するよな……こいつ」
進化したらどうなるのだろうか……
【ツルハシの極意】
効果:ツルハシを武器として使用した時、攻撃速度と命中精度が大幅に向上。攻撃判定に『採掘』が追加される。
「ツルハシを武器として使用した時……そんなあるか?」
いまいち使いどころの分からないスキルである。
【万能視界】
効果:暗視、煙視、透視、遠視の効果を得る
「普通に便利!」
普通に便利なスキルだった。
【逆境】
効果:自身のHPが低いほど攻撃力・防御力・行動速度が上昇する。(最大50%)
「これまた便利なスキル……かな?」
よくわからない。次は冒険者スキル。
【不屈の闘志】
効果:HPが0になる攻撃を受けた際、1度だけHP1で生存する。
「所謂ガッツ系か」
これもありがたいスキルである。そして、モンスタースキル。
【結晶化】
効果:一定時間、体表に結晶装甲を形成し、防御力を大幅に上昇させる。発動中、衝撃ダメージ軽減・物理反射小発生。
「防御系スキル!これは助かる!」
ネックだった防御力も何とかなりそうだ。
【収束砲】
効果:魔力を一点に収束させ、直線射撃する強力な魔力砲。
「シンプル……その分強そう」
あのビームが撃てるらしい。
【外部操作】
効果:直接触れずとも操作できる。
ひと通り確認を終えて、クロはもはや放心状態だった。
「……今回の戦利品、全部おかしい気がする」
疲れ切った声でつぶやく。あらゆる意味で、常識をぶっ壊された気分だ。
「いや、強くなったのは間違いないけど……これ、絶対ろくでもない未来のフラグ立ってるよな」
深い溜息と共に、クロは背中からどさりと倒れ込み、ログアウトした。白波には、絶対に言わないと心に誓いながら。
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