第21話:悪霊指定

 二週間が経った。


 イドちゃんはずっと音信不通。学校にも来ていないみたい。


 お姉さんが危険指定になった件についてはメッセージを確認してすぐに交霊会へ連絡したけど、理由は教えられないなんて言われた。

 逆に、イドちゃんの居場所を知らないかなんて聞かれる始末。知っているならもう探しているっていうのに。


 でも、口からぽろっと出ていた。


 ――居場所も分からないなら、パートナー失格ですよね、私。


 そのあと慌てて謝って連絡を切ったけど、何やってんだろうね、本当に。


 見習いを卒業するくらいの実力がついたのに、無力を実感して虚ろになる。

 学校の授業も目や耳を滑っていくみたいで、何も分からない。

 イドちゃんも、不登校になって交霊会にレポートを出すことくらいしかできなくなったんだっけ。程度の差はあるけど、同じような気持ちなのかも。なんて思うのは少し傲慢かな。


 布団で大の字になっていると、空っぽの頭に嫌な考えが入り込んでくる。

 どうして、私がイドちゃんのパートナーになっちゃったんだろう。

 ただの媒介役でも、ただの姉代わりでも、もっと合っている人がいると思うんだけどな。


 身体に力が入らないまま、ぼーっとして、いつの間にか眠っている。

 朝はお母さんに起こされてどうにか学校へ行って、なんとか帰ってきて、お風呂も夕ご飯も歯磨きもいい加減にやって、また、布団で大の字になる。最近は、そんなことを繰り返している。


 何か、変化が起きてもいいころだと思うんだけど。

 そう思っていたら、交霊会からメッセージが届いていた。

 もしかしたら、イドちゃんが無事に見つかったって連絡かも。

 ……なんていうのは、ねえ、都合のいい考えなの?


 イドちゃんのお姉さんが、ついに、悪霊指定になった。

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