第30話 熱を出したムルムル

 冬の妖精、ラウとトバリと、


 おしりが光る大きなホタル、チャップが家に住んでしばらくたった時でした。


 ムルムルに朝のあいさつをしようとしたギフト君が気づきました。


「ムルムルが『宿』から出てこない・・・なんだか熱をもってる・・・」


 ムルムルがカタツムリでいうならカラの三角宿から、顔を出しました。


「体に熱がこもっています・・・」



「どうしよ~・・・そうだ☆」



 ギフト君は冷蔵庫を開けて、アイスクリームを取り出しました。


 ラウとトバリとチャップにに事情を説明すると、

 

 冷やしてあげるよ、と言ってくれます。



「ふー・・・ふ~・・・ふー・・・」


 キャピーンと冷風を浴びたムルムルが凍ってしまいました。


「わぁ~~~~~ムルムル~~~~~~~!!」



 急いでお風呂のおゆにひたすと、ムルムルはなんとか無事でした。



「アイスクリームは熱が出てる時に心にも体にもいい食べ物だよ」


 ギフト君に「あーん」をしてもらってアイスクリームを食べるムルムル。


「さっきはどうもね、ラウジングとトバリトフ!!」


「多分、僕ラウとトバリのことを言ってるんだね」


「いいの、いいの。私はトバリ。どういたしましてっ」



 ギフト君は苦笑して、コバヤシがいる研究所に行ってくると言いました。


 そして戻ってくると、スポキノコと言う回復アイテムを持っていました。



「これを・・・しぼって・・・よし、スポドリンク完成!」



 ストローを使ってムルムルにスポドリンクを飲んでもらい、しばらく休み。


 一晩中、冬の妖精ふたりは、ムルムルに涼しい風を送ってくれました。


 テントウムシホタルのチャップは、そんなふたりの応援におしりを光らせます。



 ――――・・・翌日。


 ムルムルは目覚めて、まだ眠っているギフト君たちを静かに見ていました。


 ギフト君が気づいて、目を覚まします。



「具合よくなった?」


「はい。ギフトありがとう。それから、ラウとトバリとチャップも・・・とてもありがとう」



 いびきをかいて眠っている冬の妖精たちの名前を


 ムルムルが


 ちゃんと言ったのは


 これが初めてだったとさ。



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