第26話 ケイ
広場の苺沢には、苺を食べすぎていちごっぽくなっちゃったカメ、ハルシがいます。
ギフト君とムルムルは、自分達も苺を食べすぎるとどうなるのか話しています。
苺沢の側まで来て、ハルシにあいさつ。
そして年中苺がなっている苺沢を少しながめて、ギフト君が言いました。
「いっぱい苺を食べてみたい・・・でも、そしたら苺沢がなくなっちゃうかも」
「わたくしめ、ムルムルくらいの大きさになればいいのではないでしょうか?」
「なるほどギフト、小さくなればいいんだよ」とハルシ。
「オー、イェイ!苺沢もまもられます」とムルムル。
ギフト君は「シュジュゼポーン」と魔法の言葉を唱えます。
すると、ボムン、とけむりがたちました。
ギフト君は魔法の森のキノコ『リトラ』の成分で小さくなり、
スイカ柄のうちわを一枚空中に浮かべました。
うちわの上に乗っているギフト君は夢中で苺をもいで食べています。
一粒の苺を抱きしめないといけないくらいの大きさになったよ。
そんな時・・・ふぅ~・・・と、ギフト君に息を吹きかける誰かがいました。
ギフト君は苺を食べるのに夢中で、うしろを気にしていません。
「な、なんなんだぁーーー!?どーなーたー??」とハルシが大声で言います。
ハルシは猛スピードで苺沢のかげに隠れ、ムルムルはすでに甲羅の上にいます。
そろりとそちらを見てみると、そこには赤犬がいます。
「こら、ケイ・・・!あら、ギフトの『カドケウスのうちわ』?」
「にゃー・・・にゃにゃにゃにゃーん」
そこに現れたのはニャーコと弟子猫のニャオタでした。
ニャーコがハルシとムルムルを見つけて、飼うことになった犬だと紹介。
犬をはじめて見たとおおはしゃぎのハルシとムルムル。
その盛り上がりに気づいたギフト君が、やっと振り向きます。
そしてすぐそこには、しばいぬの「ケイ」。
「ソーセージとブロッコリーの食べ合わせは、うまい・・・」
苺の食べすぎで身体がピンクになっちゃたギフト君はケイを見てうしろに倒れます。
「ケイは少し喋れる犬なのよ・・・ビックリしたのねぇ」とニャーコ。
そのあとギフト君がどうなったのかって?
気絶から回復して、ちゃんと起きれたよ。
それから・・・
リトラの成分がきれて体の大きさと一緒に、体の色も元に戻ったんだって!
新しいおともだち「ケイ」を、どうかよろしくね!
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