第12話 マッスルーネ

 とある日、ギフト君とムルムルは魔法の森の広場に行こうと、歩いていました。


 広場に着くと、そこにはめずらしい知り合いがいました。


「ねっけん!?ねぇそこのあなた、ねっけんじゃないの!?」


「ん?なんや、誰やねん・・・ってなに!?ギフトとムルムルやないかい」


「なーんてことでしょう!?ミスター、お久しぶりですね」


 苺沢でハルシと一緒にイチゴを食べていたのは、ねっけん、とゆう名前の犬。


 ミニチュアダックスとビーグルを合わせたみたいな、ねっけん君。


 背中の毛色が少し変わっていて、マスタードとケチャップをかけたようなモヨウです。


「今までどこで何をしていたの?」


「ははは。色々あったなぁ~・・・都会では『ミスター』やのうて『マスター』や」


「マスタード?」


「マスター、や。ホットドッグ屋の店長やっててん」


『「へぇ~、スゴいや~」』


「うん、まぁな。そうやな。スゴいわ。そうや、みやげ持ってきてん、ほら、こーれ♪」


ねっけんがくれたのは、オレンジ色のえのきのような不思議なキノコ、【マッスルーネ】。


「マッスルーネ、ゆうてな、体質改善にええんやて」


「生で食べられるかな?」


「ひとくちだいに切って、料理したらええんやて。わし、料理へたやからふるまえんけど」


「そうだ!お昼、一緒にどーお?ハルシも」


「えぇ!?よばれますぅ」



 と、ゆうことでギフト君のおうちに来たねっけんとハルシにふるまわれたのは・・・


 ミートボール入りのスパゲッティです。


「ほ~・・・おいしそうやな」


「キノコはきざんで、ミートボールに混ぜてみたよ」


「ほうほう。んなら、いただきまーす・・・パクっ、うまいなこれ!?」


「ぼくも食べよ~っと・・・いただきまーす♡♡パクっ・・・これ、うまいなっ」



 マッスルーネを食べたあと、ギフト君の身体に異変がありました。


 なんとっ、ちょっとだけオナラで空を飛ぶことができるようになったのです。


 おまけに、くさくありません。



 この日からギフト君は、魔法のうちわを持ってお出かけすることが多くなりました。


 もちろん何かあった時、できるだけ長く飛べるようにです。



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