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「社交パーティに、私も?」
それから風呂上がり、夕食の膳を持ってきた椿に、千歳は社交パーティーのことを切り出した。
「ええ、貿易業を営む商家三杉家のご当主が開くパーティで、我々特務部隊からも数名出席することが決まりました。パートナーと同伴で、と書いてありますので貴女にも出席していただきたいと思いまして」
千歳の言葉に「なるほど」と呟きながら、椿は招待状に目を通す。
「こういったパーティには、よく出席なさるんですか」
「
みそ汁をすすりながら、淡々とそう返す千歳。特務部隊の仕事といえば悪鬼の討伐が主であるが、帝が住まう城の警護や街の見回り、その他の雑務もいろいろとあるのだ。
「分かりました。では、私も準備をしておきますね」
椿はにこりと微笑んで了承した。すると、台所から温かいお茶を持ってきた八重子が「なら、パーティ用のドレスを仕立てに行かないといけませんね」と、椿に言う。
「椿様なら淡い色味が似合うでしょうね。それとも、千歳様と揃いの色にするのもいいんじゃないかしら」
すっかり椿のことを気に入った八重子は、まるで孫ができたみたいに弾んだ声でそう言った。だが、八重子の提案に「ドレスは手持ちのもので済ませますから大丈夫ですよ」と続けた椿。
「あら、いいんですか。新しいものを用意しなくて」
「わざわざ新調するとなると、時間もかかりますし」
そう言いながら椿は空になった食器を手に取り、「おかわり入れてきますね」と、立ち上がって台所の方へと行ってしまった。そんな椿の背中を見送った八重子は、椿が見えなくなった後、ぐいと千歳の腕を掴んだ。
「ちょっと千歳様、いいんですか!」
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