第四章:裏切りの刃と迷宮の鼓動
ダンジョンは戦場と化した。松明の光が通路を照らし、ガルド率いるギルドの精鋭チームが突き進む。リョウの意識はコアから全域に広がり、敵の動きを追った。剣士、魔法使い、弓使い、僧侶――そしてガルドの手に光る、禍々しい輝きの魔道具。「あれが…コア破壊の武器か。」リョウのクリスタルが震えた。
「ゴロウ、シャドウ・ストーカー、配置につけ!」リョウは念話で命じた。通路はすでに再構築済みだ。偽の分岐路、幻影の壁、毒ガスが噴出する罠。最初の魔法使いが幻影に惑わされ、仲間を誤爆。弓使いが罠の矢に倒れ、混乱が広がった。だが、ガルドは動じなかった。「この程度か、ダンジョンコア!」彼の声は冷たく、魔道具が不気味な光を放つ。
エマはリョウが用意した部屋で、追跡魔道具の解析を試みていた。「これ、ギルドの古代遺物よ。私の動きを追ってる…でも、壊せるかもしれない。」彼女の手は震えていた。リョウは彼女の心拍を感知し、嘘か本心かを分析した。「なぜ私を助ける? ギルドの裏切り者は死ぬぞ。」エマは目を上げ、答えた。「あのダンジョンで…私の姉を失った。ギルドは私を駒としか見てない。あなたなら、違う道を示せるかもしれない。」
戦闘は激化した。ゴロウが剣士を奇襲し、シャドウ・ストーカーが僧侶を闇に引きずり込んだ。「ボス、こいつら強いけど、俺の方が一枚上手だぜ!」ゴロウの軽口に、リョウは初めて笑みを浮かべた。だが、その瞬間、別の気配がダンジョンを揺らした。テレパシーの声が響く。「新参者、貴様の力は認めよう。だが、このゲームは私のルールだ。私の軍に加わるか、滅ぶか選べ。」別のダンジョンコアだ。その意志は圧倒的で、リョウのコアに亀裂を生じさせた。
リョウは決断を迫られた。エマを信じるか? 彼女は魔道具を手に、呪文を唱え始めた。「リョウ、私を信じて!」彼女の声は必死だった。リョウの分析脳が叫ぶ。「リスク高すぎる!」だが、トラウマの声は静まりつつあった。かつての彼なら、誰も信じなかった。だが、今は…。「エマ、やれ。」
エマが魔道具を破壊した瞬間、ガルドの怒号が響いた。「裏切り者め!」彼の剣がエマに向かうが、リョウの罠が作動し、ガルドを足止めした。勝利の兆しが見えたその時、ダンジョンの深部で新たな影が動いた。別のダンジョンコアの使者が、リョウのコアの前に現れた。「時間切れだ、新参者。私の主が直々に貴様を潰しに来るぞ。」
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