2階 大阪府・大阪市中央区・大阪砲兵ダンジョン

頼れる大人…あの人だな

「〜でね、日ダン連の西崎?ってやつがうちに来たんだけど、お母さんの話が長過ぎてかえっちゃってさー!」


初めてのコラボチャンネルでの配信から一ヶ月が経った。


やはり陽鞠の周りには陽鞠を褒め称える輪ができていたが、まさかクラスの陰キャ、志田美月があの配信に出ていたみつきでは無いだろうと誰も集まらなかった。


しかし流行の流れが早い高校生、一ヶ月も経てば皆それぞれに好きなことを話していた。


ようやく落ち着いた陽鞠は最近はよく美月と弁当を食べている。



「あはは⋯⋯陽鞠さん、お弁当食べるの私とで良いんですか?」


「え?どゆこと?」


「あ、いや⋯陽鞠さんは私と違って友達いっぱいいるのにな⋯ってえ?!」


「⋯⋯わたしとご飯食べるのいやだったのぉ⋯?」


「いいい嫌じゃないです!嬉しいです!泣かないでください〜!」



陽鞠はなぜか美月に拒絶されたと感じると悲しくなってしまうようだ。


それもそのはずだ。


これは[陽キャ]という概念の問題なのだが、陽キャというのは友達が少ないものなのだ。

誰からも好かれるであったり、リーダーシップであったり、盛り上げ番長であったり⋯⋯

総じて友達が少ない。


班決めやペア作りの場面では自分から「私と組もう」といえる胆力があるから余ることはないのだが、そういう場面になった瞬間にお互いに組むことが決まっているような雰囲気の友達はなかなか居ないのだ。


そういう意味で陽鞠が本当に友達だと思っているのは美月だけなのかもしれない。



( ´・・)ノ(._.`)⋯⋯



陽キャは気の立ち直りも早かった。


「美月ちゃん、今度ここのダンジョン行ってみない?」


「あー…ここですか…入ってすぐに敗走した所ですね…」


あの美月が敗走した。陽鞠の顔がさぁっと青ざめる。


場所は大阪砲兵ダンジョンという、中央区にあるダンジョンだ。


日ダン連の調査もそこそこ進んでおり、主に銃や大砲といった武器を使用するモンスターが多いらしく、セレミアの鱗が上達してきた陽鞠はそこで実践練習と新しい武器のアイデア出しといこうと考えていた。


いわゆるそこそこのダンジョンだが、美月が攻略できなかったのには理由がある。


「モンスターがその……皆おじさんだったんで…殺すのも忍びないし…一応女の子なんで、ちょっと怖くて…」


確かに調査報告書にモンスターの姿形は載っていた。

軍服と銃。まるで軍人のようなモンスター達だ。

おじさんと言うのは少し可哀想な気もするが、あながち間違いでは無かった。


「あぁそういう……確かにそうだね、誰か大人の人が着いてきてくれたら良いんだけどなぁ…」


「……あ、あの人に頼めないかな…」


「あの人?」


陽鞠が膨大な人脈ネットワークの中から頼れる人を思案していた時、まさかの美月の方にツテがあった。


つい最近出会ったばかりだが、身体が大きくて強そうな人だ。




(📞^o^)トゥルルルルル…



『…それで私に電話を掛けてきたのか?』


「はい…だめですか?」


『君ほどの者がそんなものを怖がるとは……まぁ、その日なら空いている。同行しよう。』


「ほんとですか?ありがとうございます!」


美月は早速ツテに電話をかけてみた。

答えはOKの様だ。


「…陽鞠さん、着いてきてくれるらしいですよ」


「すごーい!どんな人が来るの?」


「竜胆桜花さんって人です。身体の大きな人ですよ」


「…り、竜胆桜花って…日ダン連の鬼の…?」


「鬼かどうかは分からないですけど…連盟長らしいですね。」


「……もう…もう着いていけないよー!」




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