第12話
予吉な予感も不機嫌そうな山の様相も単車の排気音と前照灯がかき消してくれる。山の素肌を摩擦するタイヤノイズはそれ自体がエロティックだ。
林道が長い直線にさしかかる。先には黒い塊が現れる。減速しながらハイビームにして目を凝らす。四つ足の黒い塊は明らかにツキノワグマだ。奴はこちらを見ている。
停車する。左足を接地し、ハンドルを左に切る。スロットルを開きながら急激にクラッチを繋げる。後輪が土を削る。車体はすぐに来た方向に向く。アクセルターンをすると元来た方へひたすら走る。
ミラーは倒してあるのでツキノワグマがどれだけ私に迫っているか分からない。振り返る余裕はない位に飛ばす。こういう状況だと自分でも信じられない位速くなる。
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