まず最初にお伝えしたいのは、確かに怖いと感じる要素が強い小説であるとは思います。
作者の力量が高いので、暴力や拷問の描写が非常に生々しく、かつ、キャラクターの内面の葛藤や恐怖が強調されている上に、非常に緊張感と圧迫感があり、登場人物たちの心情描写も迫りくるものがあるので、読んでいて精神的にもかなり圧迫される感じは、確実にあります。
ただそれだけでなく、登場人物たちの背景や目的が少しずつ明かされていく過程にも気がつけば引き込まれています。それがこの小説の魅力です。
苦手な人は苦手かもしれません。でも、読まなくてはいけない。そのように思いました。
怖さだけでなく、物語の中に潜む謎やその後の展開が気になってきますし、これを読んでいると、この物語は、どの国にも起こり得る話なのではないかと思ってしまいます。もちろん日本だって例会ではありません。
平和ボケしている場合じゃない、そう思います。
そしてこれを書いているのは高校生です。アンダー24、楽しみな作品がたくさんありそうです。