第2話敵といきなり遭遇?!先輩魔法少女登場
「敵……?魔女?」
「そう、このとてつもない……結界を構築しているのが魔女さ」
ありえない……いや、ありえないなんて事を思ってしまうのはこの結界……というか、魔法少女の敵がいるってことに驚いてしまっているからだろう。
いや、そういうことだろうと信じたい……
それか、これは夢なのだろうか。夢だ、そうだ夢だ……これは、現実じゃ、無い……
そうだと考えれば……いいことなはずだ……
「残念ながら、これは現実だよ」
「うっ……やっぱり、そうだよね」
「怖くなってきたかい?」
「それは、そんな事……ないけど」
いや、嘘だ。
この場を乗り切ろうとしている自分の嫌な癖……いや悪い癖だろう……
だけど、こういう時って……多分だけど、取り巻きとか敵とか出てくるんじゃないか……
そう思うけれど……それで、私の願望とかよく分からないものが無くなって……敵を倒す決意になれれば……!!
そう思い、私は歩みを進めていく。
イアが、果たしてどういう反応をするか分からないが私はそんなの関係ない。
出来るのであれば対して問題なんてないはず!!
それに、この結界……見渡すと敵は偶然いない感じだから問題は無いだろう……
「な、なにをしているんだい?」
「そりゃ……魔女に会うのよ」
「死ぬ気か?!」
「問題ある?というか……願望とかよく分からないものを無くせば魔法少女になれるんでしょ?なら……」
「だけど!!君は……君はここで死んだら……」
感情をそこで顕にされると困るんだよなぁ……
まあ、問題はないんだけど……
私は、イアの言葉に聞く耳を持つことなく歩みを進めていく。
見れば見るほど……とても異様な雰囲気をしていて……ほんとにこれは人が立ち入っていいのだろうかと思う……
いや……それはダメだろうな。
こんな、絵の具を撒き散らしたような……特徴は……よく分からないけれど……でも、周りに置いてあるものとかは無機質でとても、これは不気味という方が正しいのだろうなと言うことがよくわかった。
「……」
「どうしたのさ」
「いや、止まらないんだなって思って」
「そりゃ、気になるし……敵と言ってもいきなり現れる訳じゃないでしょ?」
「それは、どうかな。人は奴らにとっては格好の餌だからね。もしかしたら襲われるかもしれないんだよ?」
「……」
怖くなる……いきなり……怖くなってしまう。
いや、それは……ううん、大丈夫だろう。
だって、私は……日常を壊したいそう思っているんだから……こんなところで怖がる必要ないだろう。
「なるほど、君は素晴らしいね」
「魔法少女にさせてくれるの?」
「いや、だから無理だよ」
「はいはい」
願望が強いから……ね。
そんなこと聞かなくてもどうせそう言うだろうなってことがよく分かる。
失礼しちゃうわ、この年頃の女の子に向かって願望が強い、なんて。
でもまあ……少しはそんなことあるかも……とか、思っちゃったりはするかも。
だけど、だんだん進む事に……白い綿のようなよく分からないものが転がっていく姿を見た。
それは、何か……なんて分からないけれど……
でも、それが、一つ、二つ……だけじゃない。
左右に無数にも増えていき……これは、とてつもない状態になってるのではないかと思う。
「もしかして……」
「囲まれたらおしまいだよ。これが……敵だ」
「……っ」
怖い……いやこれは……ほんとに怖い……
こんな可愛いのに囲まれたら終わり?死ぬってこと?
それは……
「それじゃあ……!!」
逃げようと後ろを振り向き、立ち去ろうとした……が、その瞬間その白い綿のようなものは一気に私の歩いてきた道を阻むように壁になった。
ということは……逃げることが叶わないということか……!!
いや、進むことは……
「嘘!!」
やはり、白い綿のようなものは私を囲むように囲んでいき完全に私の行先を囲んでいるようだ……
しかも……一面にその白い綿がある……から、これは……ほんとに襲われたら終わっちゃうってことがよくわかる……
口も、目も、鼻もある訳じゃないんだけど……でも、無機質すぎて逆に怖い……
これが……敵の恐ろしさ……
鼓動が激しくなってきた……冷や汗も、震えも止まらない……
足元から肩に乗った地球外生命体は何も言わない……なんでさ……!!
こういう時お助け要素になってくれるもんじゃないの?!
怖すぎる……怖すぎて……何も出来ない……
ただ、敵は迫るばかりで……私には襲おうともしないけれど……
でも、段々と近づいてくる死の恐怖というのがだんだんと増してきている。
死ぬ?
私、死ぬの?
こんなに、呆気なく……魔法少女という世界を変えるかもしれない……そんな存在になれると思うのに……
ここで……死ぬのなんて……
「嫌だ!!」
「なら、生きないとね!!」
「?!」
声……誰?
よく分からないけど……もしかして助けてくれる……の?
「伏せて!!」
「は、はい!!」
私は間髪入れずにその場に塞ぎ込んだ。
何があるかなんて分からない、何が起こるかなんて分からない。
だけど……ただ、この空間で生き残るためにはそれをしないといけないと思ったからだ。
そして、私が伏せた瞬間に白い綿のようなものが一斉に私に襲いかかろうとしたことがわかった。
やっぱり可愛い見た目して恐ろしいことをしてくるのか……
そんな事を思いながら……ことが終わるのを待とうとしたのだ……が、そのまた瞬間に一斉射撃のような音がした。
おそらく……銃を使っての攻撃なんだろうなってことが瞬時にわかったからこそ……これは、何かあるなと思ってしまう。
いや、正確にはやってきた人が多分銃を扱う魔法少女なのだろうな……
優しい感じの声がしてるからか……安心してしまいそうだった。
そう思い、私は顔を上げる……
すると、そこには銃……というか、マスケット銃だろうか……
マスケット銃を無数に作り出し、白い綿のようなものを一気に仕留めていく姿が目に焼き付いた。
それがかなり繊細で、とても華麗で……まるでその一体一体を慈悲のあるような感じで仕留めていく姿がわかった。
「ふふ、もう大丈夫よ」
「は、はい……」
「なるほど、あなたがこのイシュタルに選ばれた魔法少女ね」
「い、イシュタル?」
さっきこいつは……イアとか言ってたのに……
というか、このお姉さん……すごく可愛い……小さいハットに、白色のツインドリル、それに可愛らしくもありかっこよくも見える魔法少女の衣装……
右肩にマスケットを担いで私に話しかけるこの人はほんとにかっこいい以上の何者でもなかった。
「ん?どうしたの?」
「い、いえ!!大丈夫です……その、ありがとうございます……」
変な回答しちゃったかな……いや、大丈夫だろう……大丈夫と思いたい……
「ふふっ、いいのよ。イシュタルは、どう?無事?」
「まあ、まだ襲われる前だったからね。無事ではあるよ」
「そう、それなら良かった……」
ああ……こういう姿も美しい……
いや、何考えてんだ私……まあ、とにかくこの人が美しいのはいいんだけど……
この人が先輩魔法少女……ということか。
「それで、話し込みたいところなんだけれど……」
「まさか、まだ……!!」
「ええ、だからとりあえず……一気に決めさせて……もらうわよ!!」
そう言うと、その女の人は一気に集まっていた敵の方へと走り始める。
綿の壁は大きく、分厚く……とてつもないほどの圧があったが……
その女の人は白髪を揺らしながら華麗に……そして綺麗に舞いながら敵を蹴散らしていく。
とても……とてもとても美しい……
その様は……ほんとに綺麗だと思えた。
いや……それだけじゃない……
それ以上に敵が弱いからだろうか……そんなことは関係ない……
ただ、このとてつもない……怖い……怖い空間で行われている戦いに光が差し込んでいる気がして……
私はとても……心を奪われた、そんなような気がした。
「
「あの子……なんで、自分から巻き込まれに……」
一人の少女が……どこかを見てそんなことを零した。
to be continued
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