人間不信の聖女と修学旅行
私がこんな純粋無垢で心が綺麗な人と関わっていいのだろうか。
私が誠実?そんなわけない。
普通に嘘つくし、私に関わったらみんな不幸になるんだから。
リーンローンラアンローン
授業の時間だ。
「皆さーん♪先生のご登場でっすよ〜♪」
「新塚先生、ご用件はなんですか。」
「あぁ…つれないねぇ。明々後日から一学期全部使った全学年合同の修学旅行があるから、知らせに来たんだけど。」
「きょ、恭ちゃん先生が真面目に喋っとる…⁉︎」
「失礼だなーーー。俺だって真面目な時は真面目なんだってば。」
「それで、どこに行くんですか。」
「クラレーラ王国とアミーザーラ帝国だよ。千架ちゃんと聖ちゃんはよく知ってると思うけどね。故郷だもんね〜。」
「ふざけてないですよね?」
「ふざけてなんかないよ〜」
はぁあぁぁ?ふざけんな。なんでお父様は許可したんだろう??疑問しか残らないよ???
「せやの⁉︎盛大におもてなしせんと!」
この人はほんっとうに純粋でポジティブだよな…見習わねば。
「うん、頼むよ〜。あ、引率は俺と相田ちゃん、シロくん、しずちゃんだから。」
「…新塚先生と相田先生、山浪先生、柏先生ですね。」
呆れるわ。どうしてこう…雑なの?この教師。
「そだね〜、なんでわかったの?」
「苗字と名前、あと新塚先生の親しい先生友達で考えると、必然的に出てきます。」
「凄いねぇ…あ、これから部屋決めをするから、みんな座って〜」
急すぎる。昨日か今日の朝に言ってくれりゃあいいものを。
「イセちゃん!あたしと組まへん?」
いいけど…なぜ今。空気読もうよ?
「……いいですよ。」
「やったー!」
「やったー!って、仲良いねぇ…」
「あ…ごめんなさい……」
『あはははは!』
ここで笑う必要ある?ひどいな。
「まず、三人組を女子男子分かれて作ってく〜だ〜さい。それで、女子のグループ+男子のグループで二階建ての一軒家に入ってもらいま〜す。」
「何部屋あるんですの?あたくしは一部屋全部使いますわよ?」
お姫様〜〜〜。まぁ私は、こういう…何ていうの?物語とかでいうとモブで、ただつっこんでる人なので。こういう人がいると私が見切れるから、いい感じにモブになってツッコミに集中できるんだよね。うん、お気楽でいいね。
(そういう台詞はそんな風に目を死なせながらいうものなの?っていうか聖ちゃんは普通に主人公なんだけど。聞こえないから意味ないか…)←自分で聞こえない様にしてるだけ
「一階二階のリビングと、フリースペースを入れないで六部屋あるかなぁ。」
「ほな、一人一部屋やなぁ。」
豪華だ。大盤振る舞い…部屋も広いし。
「そうなるねぇ。じゃあ自分たちで決めてね〜、俺は寝るから。」
教師が寝るなや!ツッコミどころ満載の先生だな、おい。
「あたしらは決まりとして、あとはさゆゆ…。」
「あの、い、入れてもらってもいいでしょうか…」
「あ、さゆゆー!ええでええで!組も組も!」
「えっと、本渓沙結季です。よろしくお願いします。」
普通に美少女じゃん。百百原さんの周りって顔面偏差値高くない?
勿論私は入ってませんけど。入りたくても入れませんけど。
でもますます疑問が大きくなっていくな?
私が居なかったら完璧にリア充の顔面偏差値高い集団になって居た筈なのに、何で私なんかと関わったんだろう?
「琵網聖です。こちらこそよろしくお願いします。」
「二人ともよろしゅうな!あたしは百百原千架。好きに呼んでな!」
「百百原さんの名前を知らない人はいません。」
当たり前だ。知らなかったらおかしい。
この学校のマドンナとも在ろう御方ですよ?
校内で知らない人がいたら、訊かれて「知らない」って答えた瞬間ノックアウトだよ。
「本当に、そうですよね。そんな人と友達になれるなんて、恵まれてますね、私。」
性格いいよなぁ、この人たち。私とは大違いだ。
それだけはどうしようもないんだけどね…性格って生まれた時から決まってて、変わることはあんまりない。
「新塚先生、決まったので起きて下さい。」
「えー?全然寝れなかった~」
「寝なくて結構です。では、決まった人順で報告していくので、メモしといて下さい。」
「うぃーっす」
「百百原さんと本渓さんと琵網です。」
~
前話と文字数をそろえるために、変なところで切りました。すみません。
次話もお楽しみに
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