人間不信の聖女様、世界のことなんて放っておいて好きに幸せになります
むめい
人間不信の聖女と友達
「聖よ。お主のスキルは、「聖なる乙女」だ。お主の元々の性格や、力を視た時、これだと確信してな。この世界を、よろしく頼む。」
「聖女⁉︎」
「おとうさま、おとうさま、聖のスキルは何なのですか?」
「聖。聖は…スキルを、持っていないのよ。」
「おかあさま?それは、どういうことですか?どうして聖は、スキルを持っていないのですか?」
「いいの。今は、知らなくていいの…。」
…昔、私はきちんと人間関係を築けていた。築けていた…と思っていただけだった。一番大事な行事で皆に裏切られ、責任を押し付けられ、「お前に関わると不幸になる」とまで言われて、人間不信になってしまった。今では、私は避けられている。
何でだろうね、何で私って生まれてきたんだろうね。地球上のすべての不幸を背負って産まれて来たんじゃないか?あ、不幸を押し付けられるためだけに産まれてきたのかな?
リーンローンラアンローン
この学校のチャイム、「ラーン」って鳴るところをわざわざ「ラアン」って鳴らしてるんだよね。なにゆえ?
私の意識は現実に引き戻された。
あ…、お昼休み。パンか何かを買ってこないと。
パンは買ったし、早く教室に帰ろうか…とは思ったが、早くは帰れなかった。
「!うっ」
「ぇ……生徒会長。すみません、大丈夫ですか。」
「ああ、すまないね。俺が走ってきたせいで君に迷惑をかけてしまって。」
帰れなかったという理由は、こういうことだ。
「いえ、ここに突っ立っていた私も悪いので。…というか、なんで生徒会長は走っていたんですか?」
それにしても生徒会長は本当に誰にでも優しくするんだな。いじめられている人に優しい。あ、嫌な言い方になってしまった。生徒会長と私は本当に真逆の性格をしてる…
「いや、ちょっと急いでて。」
「そうなんですか、それなら早く行ってください。急用なんですよね。」
「え?」
「本当にお人好しですね。行けと言われたら行くのが礼儀だと思いますけど、生徒会長はどう思われますか?」
「そ、そうか。」
「はい。では、また。」
きつい言い方でしか人に優しくできないって私、終わってんなぁ…
やっと教室に戻れたと思ったら。
「なぁなぁイセちゃん!何沈んでんのん!なんかあったんか!」
こうである。とても厄介な人に捕まってしまった。まぁいつもの事ではあるが…。
「うるさい。何もないし、あなたと友達になった覚えはないです。話しかけないでください。」
「イセちゃんのケチ!教えてくれてもええやんか〜っ」
「よくありません。あなたと関わると男子からの視線がとても痛いので、私と関わらないでいただきたい。そこらへんにいる男子に構ってあげたらどうでしょうか?」
まぁた言い合いになった。やっぱり私はきついことをたくさん言っている。性格悪っ、恨まれても仕方ないな。自分で言うのもなんだけど、自己中。
「男子?そんなんほっときぃや。男子とやと話題が合わへん。ってことは女子と話すってことやろ?せやからイセちゃん。」
「なんで私である必要があるんですか?要するに女子であれば誰でもいいってことですよね。他の女子と話せばいいと思いますが。」
「イセちゃんが誠実そうだったからや!嘘とかつかなそうやし。あとイセちゃん、自分のこと卑下してそう。だから時折『自分を卑下する必要なんてないんやで!』って言ってあげへんと。」
「百百原さんはお人よしですね。きっと私みたいな人を放っておけないんでしょう。」
「放っておけないんじゃなくて放っておきたくないんや!…まぁ本音を言うとな、理由は後付けで、友達を増やしたいだけなんやで!」
「そうですか。でも私、一度言ったことは覆さないので。」
「そっか…ほんなら、『話しかけてくる、知り合いと友達のあいだにいる人』って認識でええで!」
「結局話しかけてくるんですね…。もうそれでいいです。」
「やったー!ありがとうなイセちゃん!」
私がこんな純粋無垢で心が綺麗な人と関わっていいのだろうか。私が誠実?そんなわけない。普通に嘘つくし、私に関わったらみんな不幸になるんだから。
聖の人間不信さがよく分かると思います。
この小説は、二年前くらいに何話などと決めずに書いていた、未完結(続きは普通に書こうと思っています)のものをここにあげているので、話で区切るのが難しいんですよね。
なので、過去、書いていた時のストーリーが残っているあいだは、続きが気になる!みたいな終わり方にはならないと思います。
それに、違和感のある文章になっているかもしれません。
それでも過去の僕の作品を楽しんでいただけるとありがたいです。
今の僕が書いた文章の方に移ったら、きっと改善されると思いますので、微笑ましく見守ってください…
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