最初の一章から引き込まれ、気づけば最後まで一気読みでした。
魔王の記憶を持つゼノンの冷静な思考と、人間社会での再生が見事に交錯し、力ではなく理と覚悟で世界を動かす姿が圧巻。
ミラの絶対的な忠誠と、ユルグの真面目さが物語の重層を支え、彼らの「信頼と矜持」に胸が熱くなりました。
闇を統べる者が光を得る、その瞬間までの描写があまりに丁寧で、ラストの静かな緊張感には鳥肌が立ちました。
この作品は“魔と人”の物語でありながら、人の心そのものを描く長編ドラマでもあります。
続きがあるなら、どこまでも見届けたいです。