第3話 ある夜のこと
夜風がさらう潮の音
巻きかけの貝殻を拾い集める
微かに積もる月の欠片
頭上を渦巻く黒々しい雲
背後には二人分の足跡
水平線の向こうで
星が瞬いた気がした
砕け散った時間
宇宙と大地の狭間
その間を流れる流星
大事にしていたフィルムを巻き上げて
確かな昨日を思い映す
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