世界観の作り込みが丁寧で、光と闇の女神、信仰の偏り、人族とエルフの関係性が序盤から分かりやすく提示されている点が良かったです。主人公リヒトの前世と現世の目的が重なっており、「救えなかった祖国」と「滅びゆく種族」という二重の動機に説得力があります。エルフの日常描写も穏やかで、妹や幼馴染とのやり取りが後の惨事への対比として効いていました。理想郷を掲げながらも、どこか危うさを感じさせる主人公像が印象的で、今後どこまで踏み込むのか続きが気になります。