1.初めの頃はそんなこともあった。(あずちよ)
第2話
昨夜のアレで結果的に初めてをあの人にあげてしまった私は、朝からずっと学校で出くわさないように逃げ回っていた。
……だって顔見たら思い出しそうなんだもん。その、紅先輩の身体とか、何された、とか。今だって既に顔が熱くなる。
学年違うし、まぁ会わないでしょ。そう思った日に限って休み時間の度に見かける。あの赤錆色がちょっとでも見えると、私はその場から全力で逃げていた。
なんなのこの命懸けの学校生活。なんの試練。
昼休みになって、私は図書館に逃げ込んだ。どこか席に座ってると入り口から見えるから、奥の方の本棚の陰に隠れるように座り込む。
早く1日が終わらないかな。そろそろ精神的にゆっくりしたい。
図書館ならあんまり人がいないし、あの人が来るような場所じゃないし、教室よりは安全なはず。静かだから、扉の開く音で人の出入りも分かるし。
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