今度は君が叶える番だ

Iloha

第1話

 前回は「夢は叶う」という文章を投稿

させて頂いた。


少し「哀愁」を感じられた方もいらっしゃる

ようだ。


 しかし、私はますます自信をつけた。

やはり「夢は叶う」。

これは真実だ。


 SNSにも投稿したことがあるエピソード

だが、聞いてほしい。


 ある日、私は糸井重里さんのインタビューを

読んでいた。


「うちの奥さんがね、口紅を出すと犬が

『散歩だな』って気がつくらしくて」


実に「理想の歳の重ね方」や「幸せな家庭の

美しい妻」を思わせるエピソードだ。

憧れを禁じ得ない。


 糸井さんの奥さんは、私より大分年が上だ。

年齢を経ても『超えられない壁』というのは

存在する。

私が彼女と同じ年齢になっても、柳のように

りゅうとしなう美しい風情は出せないだろう。

俳優(最近は「女優」と呼ばないのだそうで

すね)さんだ。


 しかし、思わぬ形でやはり夢は叶った。

私が化粧をすると、我が娘がかなりの頻度で

私の部屋を訪れる。

「ママ、どっか行くの?」


 彼女の狙いは「牛乳」だ。

私に出かけるついでに「牛乳」を買ってきて

くれと言うのだ。


 やはり、「夢は叶う」のだ。 

若干、色香は足りない気がする。

しかし、私は生き証人だ。


 今日はコンビニで彼女と一緒に、

テストの料金を支払いに行く。

おそらく彼女はスターバックスのラテを

ねだるであろうことは想像にかたくない。


 大型のショッピングセンターに寄ると

また同様の事象が起こる。


私が買い物をしている間に、彼女は雑貨屋や

本屋などで時間を潰し、

なにか「いいもの」を見つける。

私が支払うシステムだ。


 「ママ活」じみてきた。


今日のところは、牛乳もスタバのラテも

私が支払おうではないか。


 しかし、君ももう大人に近づいた。

今度から300円渡すので、彼女自ら「牛乳」を

買ってきて貰うことにしようと思う。


 「夢は叶う」

さあ、君の番も来ているぞ。

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