第六話「銀色の雨」

 

 書けない。書けない書けない書けない。何にも思いつかない。六月の後半、梅雨の只中、家の自室の机についた片肘を離すと、ジトっといやな感触がする。足を組み、腕を組み、椅子にもたれて、白紙のメモアプリを睨みつける。そんなことをしても何も生まれないというのに。

 百舌鳥高祭のシンデレラの脚本が一向に進まない。ストーリーや脚本の書き方なんかをウェブで調べたりしてみたものの、ふわっとしか頭に入らない。気づけば期限はあと三日となっていた。ピンチ。ウルトラマンなら胸のランプが点滅する頃合いだ。百舌鳥高祭用のクラス内グループライン(一応入っておいてと招待されるがまま入ってみたが、基本的にはまだ仲良し同士がダベっているだけである。本番が近づくにつれて活気付いたりするんだろうか)の通知が鳴るたびにビクつく。

 時刻は深夜一時。静かに部屋のドアを開けると、家族の寝息が聞こえる。忍足で階段を降り、キッチンにつくと、電気ケトルで湯を沸かす。雨音に電気ケトルが沸騰する音が紛れる。蒸気が上るのをぼーっと眺め、ハッとしてインスタントのワカメスープの袋を戸棚から出してきてカップに入れておき、晩ご飯の余りを適当によそって電子レンジで軽く温めると、キッチンの調理スペースに広げて、立ったままそれらを口にしていく。食べ終えると、かちゃかちゃと器を洗い、食器カゴに入れ、デザートに冷凍庫からアイスを取り出し、くわえながら自室に戻る。

 腹もおさまったので、気を取り直し、またパソコンと睨めっこする。ラジコを開いて深夜にバカみたいに力が入ったラジオを聴く。ウェブブラウザのリーディングリストに保存しておいたままのサイトに何件かアクセスしてみる。「シナリオを書いてみよう! ゼロから始めるシナリオ創作実践ガイド」というブログ記事が目に止まる。流し見しただけでもわかりやすく書かれていて、全くの素人な自分でも理解できそうだ。冒頭にスクロールしてゆっくり読んでいく。なになに……。

 一・まず最後まで書く。完璧を目指さず、とにかく最後まで書き切ることが最優先。初稿はあら削りでもOK、書いてから直すを意識する、曖昧だなと思っても後で修正するようメモしておいて先に進む。

 二・プロットを先に作る。三幕構成や五段階構成で、ざっくりと話の流れを作る。最初、中盤、クライマックス、結末の四つを決めておくだけでもOK。プロットがないと途中で迷いやすいので、最初にガイドラインを作っておく。ちなみに、三幕構成の例は、第一幕(導入)=主人公の現状説明、事件が起きる。第二幕(対立)=試練、葛藤、成長。第三幕(解決)=クライマックス、結末。みたいな流れを意識する。

 三・書けなくなったら先にセリフだけ書く。例:「ちょ、待てよ」「ザクとは違うのだよ、ザクとは」など、とにかく会話を書く。そのセリフに肉付けして、場面をふくらませると執筆が進みやすい。ちなみにこれはセリフ先行型の執筆=映画やドラマの脚本家がよく使う手法だ。とにかく書くきっかけを作るのが重要!

 ……など、大事だと思うところはノートにメモしつつ読み進めていくと、ふと気になる箇所を発見した。この人……と目を止めたのは、このブログの管理人の顔写真だ。最近見た、あの人に似ているのである。偶然だろうか。にしては似過ぎている。こういった第六感は割と当たるほうだ。今度会った時に聞いてみよう。

 ……一通り読み終えたので、そのブログの脚本の書き方を元に、百舌鳥高祭用のシンデレラのざっくりしたプロットを考えて、書いていく。とにもかくにも書かなければ進まない。面白いかどうかは置いておいて、とにかく手を動かし続けた。時計は三時を過ぎ、ラジオ番組も終わった。そこまでは覚えているが、それ以降何時まで続けていたかは覚えてない。母親に起こされて目がさめた。机に突っ伏して寝オチしていたようだ。体がガタピシ軋んで痛い。ドアを開けると、コーヒーとトーストの匂いがする。まだ寝ている脳みそを、その匂いで無理やり叩き起こして、登校準備をする。カッターシャツが重い。制服のパンツがまとわりつく。じとつく雨がさらに鬱陶しく感じる。しとどに濡れる外の景色は、サボることなく変わらぬままで、僕もこんなふうにとめどなく書いてしまえたらどんなに楽かと思った。腹が鳴った。夜食を食べていても、朝はしっかり腹が減る。成長期の食欲は恐ろしい。トーストは二枚食べよう。一枚はマーガリン、もう一枚はケチャマヨがいい。

 

 *

 

 電車も蒸して、体臭やら制汗剤やら食い物やらいろんな匂いがまぜっ返して吐き気を催すかと思うくらいなのに、教室さえも、多少マシとはいえ、同じような匂いの渋滞が起こっていた。それでも、下敷きを団扇がわりにパタパタしている女子の横を過ぎると芳しい香りがするのはどうしてだろうか。気絶するほど悩ましい。女子の背後の、少し汗ばんだ半袖カッターシャツの中の、キャミソールの中に時折透けるブラひも、ストラップのアジャスターやホック部分の凸加減に、いやでも女性が女性である事実が見て取れる。閉ざされていた暗黒大陸の一端が見えてしまったようで、妙に艶かしく感じてしまう。チラリズムこそ正義。

 「ちょっと、君、ちゃんとラインの返事しなさいよ」

 暗黒の先を透視できないかと目を細めていたところに、ミヅキ氏から現実をぶっかけられて急に目の前が真っ白になる。

 「ラインの返事? 何のこと?」ラインのやり取りなんて主に家族とクロネコヤマトの公式アカウントくらいだ。ヤマトの再配達依頼が一番多いまである。別に置き配してても誰も取らないんだけどなぁ。田舎の美点であり悲しい点だなぁ……。

 「クラスの百舌鳥高祭のグループライン」

 「あぁあれ。家でスマホ見ないんだよね」嘘だ。百舌鳥高祭グループラインの通知を、うるさくてオフにしてるだけだ。なんてことは当然言えない。そういえば確かに未読の件数がだいぶ溜まっていた。溜まってると余計見る気失せるよなー。

 「君、本当に現代人?」

 「現代人だから見ないようにしているんだよ」

 「屁理屈言わないで。せめてラインは見てよ。重要な話もしてるんだから」

 「個別でまとめて見返せるようにしてくれてたら、それ見ておくよ」

 「参加しなさいよ」

 「大していい案出せないし、でしゃばりたくないよ」

 「今いい案出したじゃないのよ。決定事項や進捗具合は数日中にまとめておくわ」

 「お、おう。じゃあ今度から見るようにするよ」

 「頼むわね。それで、どう? 順調?」無論、脚本のことだろう。

 「まだ二割、と言ったところかな……」

 「間に合うの? 次のホームルーム、明後日だけど」

 「どうだろうか」

 「とにかく明後日のホームルームまでに、全体像が把握できるものをお願いね。逐一進捗確認するし、草稿上がってきたら即チェックして、修正あればなるべく当日中に送るし、全力でサポートするから」

 「敏腕鬼マネージャーだ」とゲッとした表情をすると「愛されてるわね」と皮肉たっぷりにウィンクするミヅキ氏。あざとい仕草と心のこもっていない表層の言葉の奥に、人心掌握術の手腕が見える。それなのに、不思議と悪い気はしない。なんならまんまとその手口に乗っかってしまっている自分がいる。ぼかぁ、幸せだなぁ、ぼかぁ君に管理されるのが、一番幸せなんだ。果ては編集者か管理職か。小室様は、愛というワードに心なしかビクンと体を震わせた気がした。

 「ま、とにかく頼んだわよ」そう言うと、ミヅキ氏はツカツカと自席に戻って行った。颯爽とした後ろ姿を目で追っていると、眼前に、ジトついた目つきの女学生がフレームインしてき、一瞬霊でも見えたかと思って、梅津かずおの漫画みたいに悲鳴をあげそうになった。よく見れば、小室様だった。

 「ミヅキと仲良いじゃん……」心なしか、語気の奥に、サブベースレベルの低音さえ届き唸るような怒りを感じる。全ての発音に濁音がついているような歪みエフェクトも加味されているようだ。

 「いやいや、百舌鳥高祭の件で、ちょっと詰められてて」

 「へぇ、その割には楽しそうだったけど」

 「そんなことは……恐縮しっぱなしで」

 「鼻の下も伸ばしてさ、外国の猿みたいだったわ」

「おかしいな、純黄色猿なはずなんですけど」

 「……大丈夫なのか?」

 「まぁ、なんとか」

「て、手伝ってやろうか?」

「いえ、大丈夫です」

 「即答かよ。何でよ」

 「小室様、国語の成績悪かったでしょ?」隣だから、テストの点数とか見えちゃうんだよな。なんで小室様、英語得意なんだよ。相場は家庭科だろ。

 「馬鹿にすんなよ。シンデレラの物語ぐらいあたしにだってわかるし、小説とかも割と読んでるし」

 「へぇ、どんな小説読むんですか?」

 「赤い糸とか、恋空とか?」

 「めちゃくちゃケータイ小説じゃん」

 「悪い?」

 「別に悪くはないですよ。じゃあ、一個いいですか。こんなシンデレラはいやだ。どんな?」

 「え、えーと、……援交してたシンデレラが王子にレイプされて妊娠しちゃったけど認知してもらえなくて、病んで薬物に手を出したら癌になって、辛いから死のうとしたのに止められて、で、止めてくれたその人を好きになって幸せになる話。だ」

 「ケータイ小説すぎる。シンデレラの原型無いじゃん。でもちょっと面白そうなの悔しい」

 「これにしたら」

 「いや流石にシンデレラから話から外れすぎてるので使えないっす」

 「絶対ウケると思うんだけど」

 「ご自身で魔法のiランドとかで書いてみたらどうでしょうか」

 「イヤ。そこまですんのはめんどくさい」

 「絶対ウケると思うんだけど」

 「真似すんなし」

 「まぁとにかく大丈夫です。それに、ちょっとアテがあるんで」

 「ふーん、そ。ならいいけど」

 「お心遣い痛み入ります、女王様」

 「構わんよ」

 話が終わると、小室様はスマホへと目を落とし、うちわをパタパタ仰ぐ。その度に、胸元のはだけたシャツの生地が揺蕩い、金魚の尾鰭のようにヒラヒラとするので、やはり視線がそこに注がれてしまう。その奥の朝顔は爽やかに、朝の輝きとしてしっかりとそこにあり、僕もやはり鼻の下が伸びっぱなしの外国の猿みたいになっているのだろう。その猿を後で調べたら、テングザルという名前の、東南アジア、ボルネオ島の一部にのみ生息する絶滅危惧種の猿だった。小室様はこの猿のことを言っていたのだろう。僕もこの猿をイメージしていた。テングザルは、鼻がデカければデカいほど繁殖能力の高さの証となるらしく、モテるようだ。人間も、鼻の下を伸ばせば伸ばすほどモテたりしないだろうか。

 小室様に怒られる前にスッと視線を戻して、鼻の下を縮めようと、下唇を上に上げてタコみたいな口にしてみる。廊下のほうを向いてその顔をしていると、偶然通りかかった甲斐が、僕を見つけるやいなや怪訝な顔をして「何してんの?」と眉をひそめる表情でテレパシーを飛ばしてきたので、僕もタコ顔のまま「何も言ってくれるな」とテレパシーし返すと、察したようで、呆れ顔を残して過ぎ去っていった。たぶんまた甲斐の中での僕の変人度が上昇したのだろう。誤解なんだけどな。え? 誤解だよね。ねぇ、ねぇってば。

 

 *

 

 放課後、真っ先に向かったのは、go to books。この間デリバリーで行った本屋だ。小室様に言ったアテとは、ここの事だ。智頭小学校前のバス停の向かい、通学路に面した場所にある。本屋の看板は出ているものの、一見しただけでは民家と変わり映えなく、とても営業しているようには見えない。まぁだからこそ、冷やかす客もおらず、ゆっくり店を見てまわれるのだと思う。個人的には前回のほんの少しの滞在で、すっかり気に入ってしまった。智頭にこんな店ができて嬉しい。重いはずの引き戸も、心なしか軽く感じる。カラカラと開け、店内に入る。この間と変わらず、安穏とした空気が滞留し、ほのかに花の香りがした。(後で聞けば、ライラックという花の香りだそうだ)今日は店主一人が、何やらパソコンに向かってカタカタと作業しているだけで、客はなかった。ガラス戸を引くと、店主がこちらに気づいて手を止め、僕を見ると、オヤと会釈した。僕も「あぁどうも……」と会釈を返す。

 「君は、…こないだのデリバリーの」

 「そうですそうです。この間は仕事中で、あんまり本が見れなかったので」

 「そうだよね、あ、どうぞ」

 「あ、はい、お邪魔します」

 中に入ると、本屋に行く時に必ずしてしまう癖で、本棚や、内装、展示物に視線が散っていく。十畳ほどの店内、その雰囲気、嗜好、思いなんかが端々から伝わってくるようで、逆説的に言えばそんな本屋が大好きだ。go to booksは、それを感じる。木の温もりと洒脱さを両取りしたような棚やテーブル、その上に飾られた小物類や生花もいちいちセンス良く、惚れ惚れする。そして本屋として肝心な書棚は、地袋と天袋、違い棚など、旅館として、和室としての元々の造りを残したまま、本をレイアウトしやすいように加工されているのが特に出色で、元の風合いに馴染むように、後で追加された木材がしっかりオイルステインで加工されているところもポイントが高い。そこに推し本がレイアウトされているのも趣味や嗜好性がわかりやすくて良い。自分の世界にトリップしそうになっているのを、店主が「何か探してるの?」と聞いてきて止めてくれた。我にかえって、これまでの経緯を答える。

 「なるほどね。文化祭で脚本を。そう言うことなら、創作術系の本はあの奥の棚で、絵本はその手前の棚だよ。シンデレラ、多分あったと思うけど……あぁ、棚に出してないかも、ちょっと見てみる、とりあえず棚のほう探してみて」と言い、店主はパソコンのキーボードをカタカタいわせ、在庫確認しだした。

 礼を言うと、言われた通り、説明された棚を見て回る。本の背を眺めて、気になるタイトルの本を手にとり、パラパラとめくる。「セーブ・ザ・キャットの法則」、「ハリウッド脚本術」、「シナリオの基礎技術」……、色々読んでみるが、結局どれがいいのかわからない。いったんこちらは諦めて、シンデレラを探す。懐かしい。昔自分の家にもあったよな。ディズニーの分厚いデカいやつ。母に今もあるか尋ねたら、まさか高校生の男の子に必要になるなんて思いもしてなかったようで、ずいぶん前に友人に譲ったらしかった。ついついその本の面影を追いながら、絵本の棚を見てしまう。普段本屋で絵本の棚とかあんまり見ないけど、飛び出す仕掛けや、絵画のような美麗なイラストがあしらわれていたり、有名な寓話やお伽話以外にも、独自の世界観を持った作品があったりと、絵本も意外と面白い。奥深い世界につい脱線しそうになるが、ハッとして当初の目的を思い出す。アテというのは、何も一つとは限らないのだ。ひとしきり棚を見たあと、まだパソコンと睨めっこしている店主の方に向かう。

 「あの、つかぬことを伺いますが、このブログの管理人って、店長さんだったりしますか?」

 スマホの画面を見せる。

 「……あぁ、これ。懐かしいなぁ。だいぶ前の記事だ。確かに僕だよ。まだ残ってたんだね、この記事」

 昨夜、シナリオの書き方を調べているときに行き着いたブログの管理人は、やはり店主だった。そんな偶然……いやよそう、天子とか陽毬さんとかと出会っている時点で、事実は小説より奇なりなのは確定してしまってるんだから。ブログの管理人と目の前の本屋店主が同一人物である確率のほうが、妖狐と出会って宝珠を探すミッションを遂行しなきゃいけなくなるより、まだ可能性ある。状況に慣れて、そう考えてしまっている自分が少し怖い。

 「作家だったんですか?」

 「あぁ一応ね。五島伍棟って名義で何冊か小さな出版社で本を出してもらったんだ。でも全然売れなくてね。今も一応現役なんだけど、筆だけじゃ食っていけないから、こうして地元で店をやりながら、マイペースに執筆活動もやってるんだ」

 「なんで智頭で本屋をやろうと思ったんですか?」

 「生まれも育ちも智頭なんだよね。大阪の大学に進学して、ダラダラ暮らして単位落として中退して、ふらふらして、小説を書いたらたまたま出版してもらえて、それはそれで楽しく充実した日々だったけれど、小説だけじゃ食えないし、色々行き詰まった時に考えたんだ。自分は本当は誰に、どこに、何の役に立ちたいんだろうって。で、やっぱり地元だよなって思って、何しようって考えた時に本好きだったし、じゃあ本屋でもやるか。なんて、安直だけど」

 「そんな、素晴らしいです」

 「ありがとう。正直田舎で本屋なんて商売をやるのは厳しいよ。けど最悪お金を稼げなくても、半自給自足の生活をしているし、持ち家だから家賃がかからないし、なんとか生きていける。なんていう現実的な面もあるんだけどね。学生さんにこんな内々の話するのも何なんだけど」

 「いいえ、勉強になります。本のラインナップ、すっごく好みです。文芸はもちろん、漫画や映画本も豊富ですよね。何かこだわりがあるんですか?」

 「んー、なんだろう。本は、というか、物語は、人の人生を変えうる。と思ってるし、いろんな話を知ってほしいって思うからかな。自分の趣味全開で恥ずかしいけどね。趣味が合うなら嬉しい」

 「気になる本ありすぎて逆に何も買えないくらい趣味合います」

 「いや、それは買ってよ」

 「冗談です。多分めっちゃ買います。僕は家が近いのもありますけど、ここ、立地も良いですよね」

 「そうでしょ。親戚が旅館をやってたんだけど、年齢を理由に閉業してね。空いてたから譲ってもらったんだ。旅館なのは、智頭町は江戸時代、宿場町でもあったから、その名残でもあったんだろうね」

 「なるほど。店の名前はなんでこの……go to books?にしようと思ったんですか?」

 「go to booksって店名は、単純に僕の苗字の五島から来てるんだけど、go toって単語は、どこどこに行くって意味が一番にくるけど、よく行くって意味でもあるから、転じてお気に入り、鉄板、十八番的な意味を表現する時にも使うらしいんだ。つまりはそんな本屋を目指してるんだよ」

 「間違いない、お気に入りの本屋か……。意外としっかり意味が込められてるんですね」

 「単なるこじつけだよ。安直すぎて恥ずかしいから。で、どう、なんかいい本見つかった?」

 「あぁ、ハリウッド脚本術は理解しやすそうでいいかなと思ったんですけど」

 「それね。いいと思うよ。僕も若い頃、結構参考にしたよ」

 「じゃあ脚本の指南本はこれにしようかな。問題はシンデレラのほうで」

 「棚に無かった?」

 「いや、あることにはあったんですけど、アイディアの糸口にするにはちょっと……」

 「なるほど。……それなら、温故知新でいくってのも一つの手だね」

 「温故知新? 歴史から学べみたいな意味ですよね」

 「まぁそう。本当のシンデレラの話は知っているかな?」

 「本当の?」

 と聞き返すと、五島さんはコクンと頷くと、パソコンで在庫を調べ始め「これだこれだ……」とぶつぶつ言ったかと思えば、バッと廊下を出て、物置のほうをゴソゴソ物色し始めた。

 「はい」と手に渡されたのは、岩波少年文庫のグリム童話集だった。パラパラとめくる。目次を見ても、シンデレラという単語はない。とりあえず童話から類似性を学べってこと? そんな悠長なことは言ってられない。なんせ締め切りはあと二日なのだ。

 「あのこれ、シンデレラは?」

 「あぁ、『灰かぶり』がそうだよ。シンデレラの名前はエラと言って、継母や姉から『灰かぶりのエラ、シンダーエラ』と言われていたことから、転じてシンデレラと呼ばれるようになったって説があって、そっちが物語の名称として定番化したんだ。現在の一般的なシンデレラはシャルル・ペローのサンドリヨンのバージョンが近いかな。魔法やガラスの靴とかのメルヘンなファンタジー要素が追加されたのはペローからだね。けど、『灰かぶり』でのシンデレラはこうなんだ」と五島さんは、グリム童話のバージョンのシンデレラをざっくりかいつまんで説明してくれた。

 ……なるほどな。シンデレラが落とした靴に足が入るように、継母が姉たちの踵や指を切り落としたり、鳥に目玉突かれたり、結構グロい描写が多いな。これ使えるのか? でも、個人的にはグリム童話バージョンのシンデレラのほうが、普通バージョンの話より好みだ。

 「高校生くらいになると、これ位のダークな話のほうがウケるでしょ。これをハリウッド脚本術のプロットに当てはめてみたりすると面白いかもしれないよ」

 「どう言うことですか?」

 「ハリウッド映画の脚本ってとにかく王道なんだよ。つまり誰もが理解できて、そして大多数に面白いようにできてる。その超王道ストーリーを寓話に当てはめると、王道と王道の掛け合わせで間違いないはずなのに、何故か妙な面白さが生まれたりすることもあるんだよ」

 「あぁ、マッドハイジみたいな」マッドハイジとは、スイスのヨハンズ・ハートマン監督が製作した、アルプスの少女ハイジを元にしたB級映画だ。大手チーズ会社の社長であり、大統領でもあるマイリという独裁者によって、自社チーズ独占法を施行されたスイスで、脱法チーズを作っていたハイジの彼氏・ペーターが、その会社の奴に処刑される。唯一の家族であるおじいさんも殺され、何もかもを失い、復讐に怒り狂ったハイジが独裁者・マイリに立ち向かう、血湧き肉躍るバイオレンスアクションと、スイスの美麗な風景が見どころの映画である。……自分でも思う。何を言っているのだと。でも本当にこんな映画なんだから仕方がない。そして意外と面白いんだからなお仕方がない。

 「うわ、飲み込み早いのはいいけど、よく知ってるなぁそんなバカ映画」

 「バカ映画は紳士の嗜みですから」ロックは淑女の嗜みであるの対義語みたいだな。なお、ここでいうバカ映画は褒め言葉である。バカゲー、バカ映画、おバカなテンポとおバカなダンスで紅の夜にバカテンポするのはやはり最高だ。……ふむ。でも確かにこの方向性、意外と悪くないかもしれない。なんか光明が見えてきた気がする。

 「なんか話してたらアイディア浮かんできたかもしれません。この二冊、買います」

 「それならよかった。毎度あり」

 会計を済まし、ルンルンで玄関口に向かう。…ところで、五島さんに向き直る。

 「あ、そういえばなんですけど」

 「ん? 何かな?」

 「鳥取の民間伝承なんですけど、因幡五狐の話って知ってますか?」

 五島さんは、その質問にやや間があって答えた。

 「……いや、知らないなぁ」

 「そうですか、いや、それなら全然いいんです。博識な五島さんならご存知かと思って」

 「いやいや、何でもは知らないよ。知ってることだけ。因幡五狐、うーん、聞いたことがあるかもしれないけど、パッと出てこないな。鳥取の歴史関連本も集めているんだけど、やっぱりそういう類の本は県立図書館なんかのほうが充実しているね。そっちで調べてみるといいよ。気になるなら僕のほうでも調べてみるけど」

 「あぁ大丈夫です。当人たちに聞いてみますから」

 「当人たち?」

 「いえ、こっちの話です。では、また」

 そして、今度こそ玄関口に向かう。……ところで、再び五島さんに向き直る。

 「あぁそれともう一つだけ」

 「……何かな」もう五島さんも半分呆れ顔だった。

 「この間の白い服装をした綺麗なお姉さんは、よく来られますか?」

 「いいや、彼女は大阪時代の知り合いでね。たまたま近くに来たから寄ってくれただけだよ。市内でライブがあったんだってさ」

 「へぇ、ミュージシャンのかただったんですね」

 「天泣喫茶ってバンドのヴォーカルなんだけど、知ってる? 女性三人組のバンドで、活動歴も結構長いんだけど、いまいち売れきれなくてね。最近野外フェスなんかに出るようになって、ようやく日の目を浴び出したんだ。一応うちにも何枚かレコードとCDを置いてるよ、聞いてみる?」

 「いや、また今度にします、脚本書きたいので。ストリーミングで聞いてみます」

 「あぁそうか、そうだね。また何かあればいつでも来なよ」

 「そうします。本当に今日は色々ありがとうございました」

 「こちらこそありがとう」

 そうしてgo to booksを出ると、空はすでに暗く、橙色の街灯が道をほの明るく照らしていた。智頭小学校は職員室だけがまだ明かりがついていて、先生たちが働いているのだろう。生徒が去った後の小学校は暗く陰気で、真っ黒になった教室などを見ると、まるで別の建物みたいだ。六月のじめっとした生温い空気は性懲りも無く立ち上がってきて、ここにくさやか何か臭気の立ち込めるものが放たれたらひとたまりもないだろうなーなどと考えながら、上町坂の黄土色の道路を自転車で下っていく。諏訪神社へ登る入り口の鳥居の前を過ぎ、石谷家住宅を過ぎ、坂を勢いよく下っていくと、じめついた空気を切り裂いて、鬱々した気分が嘘のように晴れていく。今なら脚本なんかぶっちぎりで書き上げられるような気がする。そんな気分をキープしたまま、気まぐれに星を目指して、青白い涙を、月並みの言葉で飾って、浮かべて、そのスピードで、帰ったりなんかして。…………。

 

 *

 

 それからの二日間は、とにかく没頭して脚本を書いた。まるで今までが嘘だったかのように、スルスルと脚本を書くことができた(当社比)。方向性の着想をgo to booksで得たのが大きかった。溢れ出るアイディアを継ぎ足していき、つまずいたら買った本を読み返し、修正して、さらに書き進める。途中、もう書くのが楽しくなってるまであって、一種のランナーズハイみたいになって、灰かぶりならぬハイでブリブリ状態で書き狂った。ついに脚本を脱稿し終えたのは、締め切り当日の朝だった。時計を見ると六時。外では鳥が鳴いている。朝チュン。深夜ラジオのリアタイ視聴なんかで朝チュン自体は珍しくもないけど、今回の朝チュンはそれとは訳が違う。疲労とは裏腹に、晴々とした心地が内側を包んでいる。とはいえ酷い顔だ。寝不足の顔をコーヒーでなんとか叩き起こし、学校に向かう。登校中にテキストファイルをグループラインに添付しておく。「お疲れ様です。シンデレラの脚本が一応できたので添付しておきます。確認よろしくお願いします」なんて業務連絡風を装って、なんでもないフリして送らないと、恥ずかしさと妙な緊張で送信できないところだった。すぐに「了解」という意のスタンプがポンポンと送られてくるのが、キョンシーにいきなりこちらの存在を気づかれたような、注目されてしまったような妙な緊張を覚える。何せ人生で初めて創作物(二次創作とはいえ)を第三者に評価される直前なのだから。まだ何か言われたわけでもないのに心臓はバクバク脈打ち、バッドボタンが奇数回押される妄想が脳内を駆け巡ってしまう。ポンポンと肩を叩かれ、バッと振り向くと、甲斐だった。

 「なにその顔、また徹夜?」

 「あぁ、百舌鳥高祭の準備で」

 「珍しいな。学校行事にちゃんと参加してるの」

 「させられたんだよ、天子のせいで」

 「天子…あぁ、千歳さん。名前呼びするくらい仲良いんだ」

 「あぁ、まぁ、ちょっとね。甲斐のクラスは百舌鳥高祭なにすんの?」

 「ウチはロミオとジュリエットだよ」

 「定番だな。甲斐はロミオ?」

 「まさか、ジュリエットだよ」

 「まさかってなんだよ。逆じゃねぇか」

 「ほんとなんだよな。脚本の子が、なんというか、尾崎にはこれで伝わると思うけど、その、腐っててさ」いわゆる脚本家が腐女子、ボーイズライブ好きと言うことか。色々察し。大変だな。甲斐も。

 「その層にはウケそうだな」

「その層にしかウケないだろ。そういう尾崎のクラスもシンデレラやるんだろ? 千歳さん、シンデレラ役で」

 「よく知ってるな。そう、それの脚本で徹夜した」

 「え、脚本尾崎が書いたんだ。できたの?」

 「まぁなんとか」

 「尾崎の脚本か。ウチのロミジュリより尖ってそうだな。面白そう。休み時間が合えば観にいくわ」

 「おう、僕もタイミング合えば甲斐のジュリ男姿拝みにいくわ」

 「ジュリ男て。うんまぁ、本当にタイミングあった時でいいよ」遠回しに観にくるなと言われている気がする。そう言われると俄然観にいきたいまである。絶対観よう。観た後で三田川に甲斐のジュリ男姿の写真とか送ろう。

 

 *

 

 さて、最終限。第二回目となる百舌鳥高祭ホームルームが行われ、シンデレラに関するさらに詳細な打ち合わせが始まった。衣装デザインをどうするとか、舞台には何が必要か、材料費はいくらかかるか、どれくらい作業時間を確保できて、どれくらいに仕上げれば間に合うか、etc……、決めないといけないことは限りなくあり、そのタスク管理、スケジュール管理の仕切りを、文化祭実行委員のミヅキ氏が「これは全然ダメね、他の班の件進めてる間に改善案考えておいて」「ここもうちょっと詰められない?」「これは後で大丈夫だから、こっちを先に仕上げてしまって」「サイジングはもう少しゆとりあったほうがいいんじゃない」などとズバズバと仕分けて行ってる間、脚本の件がいつ振られるのだろうかと気が気ではなかった。グループラインのほうは、「了解」で終わっている。まぁこのホームルームあるし、授業あるしで、わざわざコメントする必要も無いし、ヒマも無いし、家庭も無いし、カーテンも無いし、花を入れる花瓶も無いし、仕方無いし、カッコつかないし。……つまりどんな反応が返ってくるかわかんないし、今のところ他の班はゴリゴリに切り捨て御免されててガクブルだし、家庭も無いし、以下ループ。

 多分メタメタにダメ出しを受けるのだろうなぁと内心タカを括り、心をギチギチに防衛した。ボクシングで言うなら、両手を盾にしてフルガード状態。備えあれば憂いなし、防御こそ最大の攻撃、災転じて福をなす。ん? 最後のは違うな。などと考えているうちにガードが下がっていたようだ。脳天に、メメタァと面が打ち込まれる。

 面を打ってきたのは、ミヅキ氏だった。目の前で腕を組み不満げな面持ちで佇み、映画監督のように紙束をクルクルに巻いて手に持っている。どうやらこの紙束で叩いてきたらしい。百舌鳥高祭の資料なのだろう、読み込まれてボロボロになっている。いや、単に頭叩きまくっただけかも。どんだけ叩きまくったんだよ、四十過ぎのヤフコメ民かよ。

 「君、またログアウトしてた? 悪いけど時間がないから早速本題に入るわね。脚本の件だけど」

 「は、はい」背筋が張り詰め、生唾をごくりと飲みこむ。なんとか気を紛らわそうと周りを見ると、クラスのみんなが役割毎にまとまって真剣な面持ちで話し合いをしていた。小室様も天子も、それぞれの班の話し合いに参加している。大丈夫かしら? 二人ともちゃんと話し合いに参加できてるのかしら? 『いや、まずお前(健治君)が大丈夫かよ(なの)』と二人からツッコまれそうではある。それは本当にそう。大丈ばない、まだやっぱり緊張する〜。その僕の緊張を察したのか、ミヅキ氏は少し間をあけ、柔らかい声音で語り始める。

 「あー、昼休みにザッと目を通しただけなんだけど、……いいんじゃない」

 「それは一応グリム童話版のシンデレラが元になってて僕なりに再構築してみたんだけどちょっと人を選ぶというかマニアックなネタも入れっちゃてて僕的にはハリウッド映画みたいな大ベタな展開で大衆的に作ったつもりではあるんだけど全然ダメならもうなんつーかお手上げというかこれ以上弄りようないかなーとか思ってるんでこれダメなら申し訳ないけど僕では力不足なので他の人でおなしゃす」自動で発動するプログラムみたいに、組んでいた文言を口から弾き飛ばす。そして、続けて展開されるであろう物理攻撃に備えて、「かたくなる」を使って防御力を上げておく。トランセル戦法。あとはもう悪あがきするしかない。短い生涯だった。生まれ変わるなら、もっともっと輝けるバタフリーになりたい。

 そう身構えて数秒。何もアクションがない。ので、ガチガチに固まった身体からチュクチュクしたおめめだけを緩めて、ミヅキ氏のほうをチラッと見ると、ミヅキ氏はきょとんとした顔で固まっていた。

 そして、突然プッと吹き出し、くすくす余韻で笑っている。

 「いや、だから、いいって言ってるじゃないのよ」

 「……へ?」我ながら阿呆みたいな面してると思う。そう自覚できるぐらい、顔が蕩けているのがわかる。

 「ちょっと話のスケールデカ過ぎなところとか、コンプラ引っかかりそうなとことか、いきなり変な設定ぶっ込んでるところとか修正していけば、大筋はまとまってるし、面白いんじゃない」

 「お、面白い?」

 「え、うん。私は面白いと思うよ。ゾンビ映画とかサメ映画みたいなD級映画のノリ、嫌いじゃないし」

 「B級王道映画目指したつもりだったんだけど」

 「そうなの? なら、まだまだ普遍的なテーマに対する、哲学的な主張の深さが足りてないかな。大衆的に作るのが、実は一番難しいんだから」

 「お、おう。なんか、編集者みたいだ」

 「これでも出版社志望なの。まぁ、さっきのは漫画のセリフの受け売りだけどね」

 「そうなんだ。それにしても意外、映画とか漫画とか詳しいの」

 「そう? 君が知ろうとしなかっただけなんじゃない。私に限らず。みんなのこと」

 そう言われて、そうか、そうかもしれない。と、目から鱗が落ちる。

 その途端、視界が、広がったような気がした。

 「ま、とにかく、この線で初稿はOK。ここからブラッシュアップして夏休みの中盤までに完成稿に持って行きたいわね」

 「げ、夏休みも?」

 「君次第だけど、おそらくそれぐらいはかかると思うわよ。これで完成したわけじゃないからね。あくまでこれはベースが整ったといった段階よ。ほらコレ、ざっと目を通しただけでもこれだけ修正点あるんだから」と、ボロボロの紙束を渡される。どうやらこの紙束は台本をコピーしたものだったらしい。ページを捲ると、赤ペンで細かく修正指示が書かれている。ん? 見間違いかな? 普通に全直しくらい赤入ってない? 真っ赤なんだけど。

 「あのー、これ、赤い所が修正点なんだよね?」ミヅキ氏は当たり前じゃないみたいな顔をしている。

 「ほとんどじゃん」

 「そりゃそうでしょ。無理な設定多すぎるんだから。高校の文化祭で、これだけがっつりRー18シーンあったら上演できないわよ」

 「ギャグだからOKとかは……」

 「難しいわね。D級映画のリテラシーを客に求めるべきではないわ。まぁ申し訳ないけど今回は折れて頂戴」

 「うん。ま…ちょっと時間をもらえるなら……」

 「……もう、わかったわよ。ちょっと締め切りは後ろにずらすわ。その代わり他の班のスケジュールがタイトになるわけだから、その分頑張って良いものに仕上げてね」

 「わかってるよ、ありがとう」

 「そんなところかな。じゃあ、よろしく。今回みたいに、完成したらグループラインに送ってくれたらいいから」

 「了解」サムズアップして答えると、ミヅキ氏は別の班へと向かって行った。ミヅキ氏と入れ替わるように、小室様が自分の席に戻ってくる。小室様の班の話し合いは終わったらしい。

 「どうだったの?」興味があるのか無いのか微妙な声音で小室様に尋ねられ、内心全振りの歓喜を無理に抑えて「一応、通ったっす。直しエゲツない量あるけど」と冷静と情熱のあいだの絶妙な返答をした。

 「そう、やったじゃん」小室様は言葉の控えめな情感の割に、表情は柔らかな笑みを浮かべていてドキッとする。思わず「お、おぉ、あざ、あざす」とキョドってしまうどうもチー牛な僕です。

 はじめてのきゃくほんは、なんとか首の皮一枚で繋がった。夏休みは少し憂鬱だけど、それでも今日のミヅキ氏の評価だけで乗り切れる気がする。初めて自分のレゾンデートルを証明できたような、一寸のすみっコぐらしにも五分の魂があることを理解してもらったような、めちゃくちゃな幸福感で胸が一杯になる。ひとまず安堵、とりあえず今日はゆっくりしたい。

 ホームルームが終わり、皆が帰り支度を始める。それよりもワンテンポ早く支度を済ませ、誰よりも早く教室から飛び出し、慣れないスキップで右手と右足が同時に出てしまったことも気にしない。誰かの視線がちょくちょく刺さるがそれも気にしない。今の自分はスターを取ったマリオ並みに無敵だ。イヤッフゥ〜。

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