第二話:仏像の眼差しが俺に何かを訴えかけてくる件
夜中にこっそり訪問。バレたら終わりのスリリングな展開。まるでステルスゲーム。
「これが、
見せられた仏像は、高さ30センチくらい。木型から
「……すげえ」
思わず呟いた。
でも、この仏像は違う。
その眼差しは、敵を射抜くんじゃなくて、すべてを受け入れるような……そう、まるで【防御力+∞】【HP自動回復】【状態異常無効】みたいなバフを全方位に展開してる感じ?
「これに、黄金の肌を与えてください」
「……おう」
俺は【
水銀と金を混ぜ合わせたアマルガム(練金術っぽいけど化学です)を、仏像の表面に塗り込んでいく。これを炉で熱すると、水銀が蒸発して、黄金だけが定着する。
作業中、何度もその顔を見つめた。
不思議なんだよな。物部の神像を作ってる時は、「強く、正しく、清く」って気持ちになる。でも、この仏像を見てると、「まあ、何とかなるんじゃね?」って気分になる。
これが【
作業は三日三晩続いた。
完成した仏像は、黄金に輝き、まるで生きているかのような存在感を放っていた。
「……やべえ、俺、神様じゃなくて仏様作っちゃった」
背徳感と達成感が入り混じった、複雑な気分だった。
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