与えられ忘れが行く異世界冒険譚
ミラ
プロローグ
プロローグ
――やっばい、これマジでやっばい 。
今俺は絶賛命の危機に瀕している。
普通こうゆう展開って始まりの街とかからじゃないの?
木が生い茂ったマイナスイオンたっぷりの森なんですけど。
なんでスポーンした近くに熊と犬と亀を3で割ったような奴がいるんだ。
右も左もなんなら言葉すら通じるかわからない状況で。
なんなんだよ、あの訳のわからない化け物は。
幸い何とか逃げることができているが追いつかれるのも時間の問題だ。
追いつかれる前に何とか打開策を見つけなければ。
自称進学校で身につけた脳を振り絞って考えるが脳はパニックでそれどころではなかった。
その間にも刻一刻と化け物は近づいてきている。
やばい、やばい。
こうゆう展開って普通、美女か美青年の騎士が助けてくれるもんじゃないのかよ。
やつは、もうすぐ後ろまで迫ってきてる。
数々の択が考えられた中、俺は反撃をすることを決めた。
大体の生物の急所は鼻、そして怯んでいるうちに素早く逃げる。
最終的に選ばれたのは前にディ◯カバリーチャンネルかなんかで見た動物に襲われた時の対処法だった。
後ろを振り向くとほんの数メートル後ろまで迫っている。
俺は振り返り重心を固定し拳を握りしめタイミングよく鼻を狙う。
「なんとかなれ!」
拳は狙い通り鼻に命中した。
逃げるなら今しかない。
俺は後ろも振り返らずに全速力で走った。
今の俺は興奮したカブトムシの10倍近く早い気がする。
幸い化け物は追ってきていない。
しばらく無我夢中で走っていると森がひらけているのが見えた。体感15分くらいは走っていたと思う。
「よし!」
森を抜けると遠くに大きな城壁が見え近くに軽く整備されたような道があった。
どうやらここを辿っていけば街につきそうだ。
ようやく安堵した俺は近くにあった岩に倒れ込むようにして座ってしまった。
走っている最中は気が付かなかったが拳が赤くなっていて痛みが出てきている。
やはり温室育ちのインドア派には荷が重かったらしい。
太陽らしき物を見る限りちょうど真上にあるのでまだ昼時だろう。地球の常識が通用するかわからないけど。
にしても疲れた。こんなに全力で走ったのはいつぶりだろうか。前日夜更かしをしていてあまり寝ていないかったのもあり疲れがどっと襲ってくる。空を眺めていた俺は気づけば眠ってしまっていた。
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