7話~この嘘、どう終着させよう~
月曜日---
順太郎は葉山と昼ご飯を食べていた。
「へぇ~… 順太郎もとうとう彼女が出来たのかぁ~…」
沙也加の話を自慢げに話す順太郎を葉山は興味深そうに見て来た。
「ああ… あれはもうラブラブ過ぎて困る位だぜ。」
「まぁ、そうだよな。 休日デートする位だし。」
「ほら、俺って紳士じゃん? やっぱ女も優しくされると惚れちゃうんだよなぁ…。」
順太郎は得意げに葉山に恋愛の享受をする。
「けどさ、ぶっちゃけ面倒な事すっとばしてヤラせてくれれば良くねぇ?」
「ふ… 愛ってな… そういう軽いもんじゃないんだよ。 葉山はおこちゃまだな。」
「買い物とか面倒臭い事付き合うなら俺は店で良いや。」
「まぁ、出会いって運命だからな。 俺の沙也加みたいにな!」
順太郎のどや顔は葉山として少しムカつくが、それでもモテない男が幸せになってくれると夢が持てる。
「今度彼女紹介してくれよ。」
「お前みたいな性獣には紹介できねぇよ。 俺の沙也加が汚される。」
「見ただけで!?」
お互いに笑い合いながら、楽しい昼食の時間だった。
仕事に戻っても葉山は女性社員や会社の上司達に「古市に彼女が出来たみたいだ」と触れ回る。
* * *
喫煙所にて―――
順太郎がタバコを吸っていると、男女2人が喫煙所にやってきた。
「お? 古市じゃん。 彼女とキスしたんだって?」
煙草に火を付けながら話しかけてきたのはイケメンの本橋だ。
「ああ。 可愛い彼女でな―――」
「けどさ、知り合ってまだ2週間位でしょ? 展開早すぎない? 騙されたりしてない?」
言ってきたのは小林聡子。
社内で1番の美女だ。
沙也加と会うまでは良く一方的にお世話になっていた女である。
沙也加の可愛さと比べると小林は霞んで見える。
「まぁ、時間ではないだろ。 愛し合う事が大事なんだよ。」
「キモッ。」
順太郎の言葉を小林は軽く茶化す。
「けど、良かったじゃん。 幸せそうでさ。」
本橋が明るい感じでフォローする。
「そうだな。 まぁ、これで俺も本橋の側の人間だな。」
「なんだそれ。」
本橋も笑って返す。
「まぁ、最近何となく余裕ある感じだしね。 調子乗りすぎて振られないようにね。」
小林も煙草に火を付けた。
「そろそろ夏休みだし、彼女と休日合うなら海いかねぇ?」
本橋が誘ってくれたが―――
海… 誘える自信がない…。
「あ… サーヤも忙しそうだしな。 一応予定を聞いてみるよ。」
順太郎は話が大きくなって来ている事に一抹の不安を感じ始めていた―――
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