あと2点で全国模試1位になれたのに大学進学を断念した話。
詩歩子
第1話 閉鎖病棟に入院していた少女がありえない偏差値を取った。
全国統一模試、通常、河合塾が主催する模試はあらゆる模擬試験の中でも難関だと言われる。その模試で私はろくに高校へ通えていないのに現代文で偏差値78を取ったことがある。100点中98点、あと2点で全国1位だった。現代文だけかもしれないが志望校判定で東大の医学部も入れるような偏差値を取った。それも閉鎖病棟に2年半入院していた少女が。
私は高校生の頃、その月日の大半を閉鎖病棟で過ごしている。17歳の時に解離性障害と診断され、高校は転科を含めて5回も変わっている。
そんな私のような弱者女性が信じられないような偏差値をたたき出した理由に私の言語能力がある。私は2023年に行った東京大学が行うギフテッド創成寄付講座に参加した。上京して東大へ行き、東大で言語理解のIQが160近くあると指摘された。
受けた知能検査はスタンダードなWAIS‐Ⅳだった。私個人的には私の言語能力そのものは格段とレベルが高いとは思っていない。ただWAIS-Ⅳとよほど相性が良かったのだろう。言語能力を図る検査では今までの人生が嘘みたいに楽勝で解けた。しかし、処理速度・ワーキングメモリーを図る検査項目では苦戦した。
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