第2章 閉ざされた檻 第3話 監禁の始まり

純 「提案、、ですか?」


純は警戒心を隠せないまま問い返した。目の前の完璧な男はグラスをくるりと回しながら微笑む。


誠 「単純な話だよ。純くんは住む場所を失い、お金もない。僕は君のような可愛い子が好きでね」


突然の告白に純はフォークを止めてしまった。


純 「つまりどういう意味ですか?」


声が少し震えている。


誠はゆっくりと立ち上がり、テーブルを回り込んで純の隣に立った。革靴の音が床に響く。


誠 「ここで一緒に暮らさないか?衣食住の面倒を見る代わりに僕の側にいてほしい」


肩に手が触れる。冷たい感触に背筋が凍った。


純 「そんなの、おかしいです!」


純は反射的に椅子から立ち上がる。強気な瞳で誠を睨みつけた。


純 「見ず知らずの男の家で同棲なんて!冗談じゃない!」


言い放ち玄関へ向かおうとした瞬間―

ドアノブを捻ろうとした手首を掴まれた。驚くほど強い力だった。


純 「離せっ!」


純が必死に腕を振りほどこうとするが、誠の握力は鋼のように強かった。その指先が肌に食い込み痛みさえ感じる。


誠 「そんなに怖がらなくてもいいじゃないか」


耳元で囁かれる低い声に鳥肌が立った。吐息が首筋を撫でる。


誠 「僕はね、君みたいな純粋で反抗的な子が一番興奮するんだ」


意地悪く歪む唇から舌先が覗いた。


恐怖で膝が震え始めた。それでも負けじと精一杯の眼光をぶつける。


純 「キモイんだよ変態野郎!」


罵詈雑言を浴びせるも、誠の顔に浮かぶのは愉悦だけだ。


誠 「おっと、随分ひどいことを言うじゃないか」


空いている方の手が素早く純の腰に回る。逃げ場を塞ぐように身体を引き寄せられた。


誠 「ここは最上階だよ?誰も助けに来ないし、防音も完璧。君の可愛い悲鳴も全部独り占めできるんだ」


恍惚とした表情で語る誠に血の気が引いていく。

そのとき、リビングから微かな電子音が聞こえた。誠がチラッと視線を流す隙を突き、渾身の力で突き飛ばす!


純 「ハッ……」


息を荒げた純が玄関へ駆け込もうとした瞬間――

ガシャン!

冷たい金属音と共に背後から羽交い絞めにされる。誠の腕が蛇のように胴体に巻き付いた。


誠 「無駄な抵抗はやめなさい」


耳朶を舐めるように低い声が響く。ぞくっと背筋が震えた。


純 「離せ!!」


もがくほどに誠の指が肌に食い込む。部屋へ引きずられる間も必死に暴れたが、大人の男の力には敵うはずもなくベッドに乱暴に押し倒される。


純 「痛……ッ!」


抗議の声も虚しく誠が覆いかぶさってくる。逆光の中、彼の瞳だけが暗闇で異様に輝いていた。


誠 「本当に可愛いね、純くん」


誠の唇が額から瞼へと這う。ねっとりとした感触に鳥肌が立つ。


誠 「逃げようとした罰だ、しっかり教えてあげないとね」


ベルトに手がかかる音がやけに大きく聞こえた。


純 「やめ……!」

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