姉たちに復讐する為にロボに乗ってダンジョンに潜ります!

幻想

第1話 入学

今日は迷宮大学園入学初日だ。

事前準備は万端…とうとうこの日が来た。

今ここから成り上がって、彼奴等に思い知らせてやる…


俺を見下したあの家のメスガキ共に!

俺を見下す周りの貴族ブタ共に!

何より、俺自身への慰めのために!


あの家の人間に俺の尻の穴を舐めさせてやる!

そうして俺はハッピーに生きてみせるぞ!


――体育館内


【えー…それでは入学式を始めます…私は司会進行役の生徒会役員です。名前を呼ばれた方は壇上に上がって制服と生徒電子手帳を受け取ってください】


どうやら先生たちはこの入学式には姿を現さないらしいな。やはりダンジョンのこともあるから忙しいんだろうか。

今俺のいるここ"迷宮大学園ラビリンスクール"では広大な土地とそこに所狭しと並べられた施設、そして数多くのダンジョンとそれを攻略するための特殊なカリキュラムや争いをある程度平和的に行うための決闘システムが存在している学校だ。そしてこの手で復讐したい奴もこの学校に通っている!


それ以外にも

学生の内にダンジョンに挑める可能性があるのは此処しかない。そしてここで成果を出せば卒業した後冒険者としてのスタートラインも上げることができる!そして冒険者としてのランクが上がれば、大貴族にも届き得る!

とはいっても魔力が無ければ難しい所になるが

俺の魔力はほぼ最低値。同年代の男性の2分の1程度しかない。

そして女性は基本的に男性の100倍から1000倍の魔力を持っている。

だが完全なる復讐のためには大きな力と権力が必要だからな、諦めてはいられない…


「君はどういう目的でここに入学してきたんだい?」

隣の席に座ってる金髪の男が俺に話しかけてきた。


「目的なんて一つしかないだろ?ダンジョンだよ(ま、大嘘だがね)」


「やっぱり君もか…」


「逆にそれ以外なにがある?」


すると金髪は笑って

「ははっ、君もおかしな事を言うね。ここの購買の事を知らないわけじゃないだろ?」


「ああ、そういう目的なのか。納得したよ」


購買には色々な店や施設があるが、学生からダンジョンに入る以上多くの装備や奴隷が売っている店もある。

特に気になるのは奴隷店。

ダンジョン内に住む部族や犯罪者の家族等の人間が奴隷扱いとしてここで売られることがあるらしい。

この迷宮大学園では学生規模の中では最も規模が大きな店としても有名だ。学生でも手の届くリーズナブルな値段での販売だから、家事等をできるまともな奴隷は少ないが、その分エロや武術に特化しているやつが多いと学校案内には書いてあった。


「君も興味あるのかい?」


「ああ、何なら入学後最初に見に行こうと思っていた所だ」


「気が合うね。俺もなんだ。装備とかも見たいけどまずはどんな商品を売ってるのか見たくてね、よければ一緒に見に…」


【生徒番号No.774番、七篠ななしのヒメ!】


ついに俺の番が来た

「おっと、俺の順番みたいだ。また後で」


「ああ」


「七篠ヒメ、貴方はこの栄光ある迷宮大学園への入学資格を得ました。これが生徒電子手帳と制服です。」


「ありがとうございます(こいつは…違うな。この学校の生徒会をやってるのは間違いないはずだが…)」


「楽しい学校生活を(そう言えば生徒会長は彼のことが気になってたみたいだけど…まさか生徒会長に恋の予感!?)」


「次はお前の番じゃないか?」


「そうだね」


【生徒番号No.881番、成生なるせミツル!】


「呼ばれたから行ってくるよ」


「おん、さっきは途中だったみたいだから俺が言うが入学式が終わったら一緒に店に行くか?」


「喜んで」


【えー…入学式はこれにて終了です、明日からの学業を頑張ってください。校内案内のガイドブックは電子生徒手帳内にインストールされています。よい学生ライフを】


――購買

購買はかなり広いな。まぁ…ものすごく広大な土地を学校だけに使っているから当たり前っちゃ当たり前なんだろうが…


「すまない、待たせたかい?」


「いや、俺もいま来た所だ。所で、入学式で呼ばれたとは言え自己紹介がまだだったな。俺は七篠ヒメ。ヒメって呼んでくれ」


「ああ、そう言えばまだだったね。僕は成生ミツル。ミツルでいいよ」


「よしミツル。どこから行こうか?」


「うーん、僕としては装備を先に見たいかな」


「よし、なら先にそれを見に行こう」


「ガイドブックにはテスト成績やレクリエーション、ダンジョンの探索結果によって使える軍資金に差ができるらしいぞ、通貨単位はポイントらしい」


「そうなんだ、ヒメ君の軍資金は何ポイント位ある?」


「15000ポイントだな」


「僕は20000ポイント」


「まぁ最初には十分だろ」


――購買・ECMAショップ


こんな品揃えは中々見られないだろうな…


「いやあ、壮観だな」


「ああ、そうだね。かなり大きな規模の店にトロール型に魔人型、アニマル型等々の種類が揃っている」


「基本的に魔力に乏しい男でもダンジョンに潜れるようになったのはこういう男性用ECMA装備の充実だからな…」


「100年前にある偉大な博士が少ない魔力でも動かせるElementエレメント Coatコート Magicalマジカル Armsアームズの頭文字を取って作ったとされるECMA魔動鎧。型によって千差万別の動きができる魔動鎧はうちの商店でも主力だよ。」


「実家が商人なのか?」


「ああ、と言っても零細だけどね。この学校にぎりぎり通える位のお金しかないよ」


「まぁ…こういう産業はほぼ貴族たちが牛耳ってるからな…そんなもんか」


「値段が大体…1機10000ポイントかぁ…」


「良くも悪くも武装のない鎧だけだからこれでも安い方なんだろうな」


「うーん…武装は武装で別料金なのか」


「いや、自作するほうがいいかも知れない。どうやら武装に関してはおそらく意図的にだがかなり低レベルなものだけになっている」


「確かに。ピストルとか大木槌みたいな魔法関係ない武装しかないね。こりゃ確かに低レベルだ…」


「他の商品も色々とあるな。縮小魔法によって作られている手のひらサイズの携帯ラボと携帯工房がセットで5000ポイントか…」


「こういう時は女性が羨ましくなるよ、魔動鎧がほぼ必要ない分武器や携帯拠点に軍資金を集中出来るからね」


「魔力に関しちゃどうにもならないからな、完全に才能でしか無い」


「ヒメ君はどうするんだい」


「携帯工房のセットと魔人型のECMAを買うつもりだ。結局ECMAと携帯シリーズの2つは必須だろうしな。まぁ奴隷用のポイントが無くなるのはネックだが…」


「まぁ…そうだね。でも施設に関してはレベルが低そうだったけどどうするんだい?」


「そればかりは改造していくしかないだろう、携帯工房改造セットとかもあった以上、あえて低レベルなんだろうしな、最初の仕方ない出費だろう」


ドンッ


「いてて…すまない。よそ見をしていた」


「ちゃんと周りをみてないからだ。俺の連れが申し訳ない」


「なんて不敬なんですの!?この私、犬瀬キョウコにぶつかっておいて土下座もなしとは不敬ですわ!そう思いますわよね、奴隷1号!」 


「ムッ!ムー!ムググー!(あっ!にぃに!助けてー!)」


「…は?(嘘だろ?なんでロウ妹弟子が此処にいるんだ?)」


「ほら、奴隷もそうだと言ってますわ!」


ビターン!


「こ…今度はなんなんですの!」


「俺の名は生徒No.774 七篠ヒメ、そこのお前に決闘を申し込む」


「ふ…不敬ですわ不敬ですわ不敬ですわッ!あまつさえ私の顔面に手袋を叩きつけるなど!私が貴族だと知っての狼藉ですの!?」


「知るか、ボケ貴族」


「よ…よせ!ヒメ君!ぶつかった私が悪かったんだ!」


「あー!わかりましたわ!私がお金持ちの最高位貴族だからって嫉妬してるんですのね!今なら泣いて謝ったら許してあげますから少しは」


「聞こえなかったのか?お前についている耳は飾りか?お前に決闘を申し込むと言ったんだ、マヌケ」


「あーあーあー…」


「も…もう許しませんわ!いいわ受けてあげますわよその決闘!」


「お前はそこの奴隷を賭けろ、俺は俺自身を賭ける。それで問題ないか?」


「足りませんわね!私が勝ったのならあなたの一族全員を奴隷にしますわ!」


「良いだろう、それで問題ない」


「フン!決闘は明日の21時!闘技場で首の皮を洗って待ってなさいな!行きますわよ!奴隷1号!」


「ング!ムググ!(行くから!引っ張らないで!)」


「行ったか」


「き…君は何をしたのか分かってるのかい?」


「ああ、アホに喧嘩を売っただけだ」


「ああもう…」


ガヤガヤ…ガヤガヤ…


「野次馬が集まりだしたな、買うものだけ買って行こうぜ」


「…はぁ…とりあえず買い物が終わったら今日はもう寮に帰ろうか、これじゃ購買も落ち着いて見られないから」


「そうだな、個室なのは助かった」

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