第49話 えっちなおしおき、してください♡

「ご主人様ぁ……♡ トルテのほうも見てください♡」


 下からの強烈な刺激に耐えていると、今度は頭上から甘い声が降ってきた。


 トルテは僕の首筋に顔を埋め、吸い付くように濃厚なキスを落としてくる。

 耳元で熱い吐息を吹きかけたり、耳たぶを甘噛みしたり、その技術は驚くほど巧みだ。


「んむっ……! れろ、はむ……っ♡ ご主人様ぁ、どうれすかぁ? トルテのきす、上手にできてますかぁ?」

「くぷっ……はあっ♡ テオの……ご主人様の、こうしてるだけで、えっちな気分になっちゃうのぉ♡」


 上ではトルテが甘い言葉とキスで理性を溶かしにかかり、下ではエクレールが夢中の奉仕で本能を揺さぶる。

 上下同時に責め立てられ、脳みそが沸騰しそうだ。


「ふあっ、あぅっ……」


 快感のあまり、思わず情けない声が漏れてしまった。

 すると、耳元でトルテがくすりと楽しげに笑う。


「わ、ふぅ♪ ご主人様、女の子みたいで可愛いです♡」

「う……!」


 恥ずかしさと、男としての悔しさが込み上げる。

 と同時に、僕の中で変なスイッチが入った。


(こ、このままやられっぱなしでたまるか……!)


 僕は残った理性を総動員して、目の前の二人の弱点を狙った。

 メイド服のエプロンの隙間から見えている、二人のお腹。

 そこへ両手を滑り込ませ、


「えいっ!」


 同時に、その呪紋を手の平で押し込んだ。


「「ひゃあぁあああっ!?」」


 二人の口から、甲高い嬌声が弾けた。


「だ、だめぇっ! そこ、弱いのぉっ♡」

「わふぅっ♡ ご、ご主人様、なんですか、これえっ♡」


 性感帯である呪紋を直接刺激され、一転してもだえる獣耳少女たち。

 特にトルテは初めての経験だ。犬耳を限界まで立ち上がらせ、メイド服の裾をぎゅっと握りしめて身もだえる。


「ひううっ♡ あうんっ♡ だめぇ、ご奉仕できなくなっちゃうのぉっ♡」

「わふっ、きゃううんっ♡ ト、トルテも、あたま、真っ白になっちゃうですぅっ♡」


 逃れられない快感に、二人のメイドは僕への責めも忘れて声を上げるだけ。

 とろとろに蕩けきったその表情は、あまりにも無防備で、そそるものがあった。


「「ひゃああああんっ!」」


 ビクビクと激しく体を痙攣させ、二人はあっけなく限界を迎えた。

 

 糸が切れたように力が抜けて、ベッドの上へ折り重なって倒れ込む。


「はぁ、はぁ……♡」


 これで少しは落ち着くかと思った、その矢先だ。

 エクレールの上に覆いかぶさるような体勢になったトルテが、高ぶったままの潤んだ瞳で彼女を見つめた。


「エルお姉ちゃん……可愛い……♡」

「えっ、ちょっ、トルテ……? んっ♡」


 なんとトルテが、そのままエクレールの唇を奪ったのだ。


 エクレールは驚いて目を見開いたが、抵抗する力など残っていない。

 まだ体に残る発情の熱に流されるように、そのキスを受け入れてしまう。


「ちゅ、れろ……んっ♡」

「んぅ……はぁ……♡」


 僕の目の前で、メイド服の美少女二人が濃厚に舌を絡ませ合っている。

 唾液の銀糸が繋がり、甘い吐息が交錯する。


(なんだこの天国みたいな光景は……!)


 見せつけられた僕は、冷めるどころか、放置された下半身がさらに熱く疼きだした。


 けれど、二人の世界が完成しすぎていて、どこで入り込んだらいいのか分からない。完全に置いてけぼりだ。


 やがて、そんな僕の飢えた視線に気づいたのだろう。

 二人は重なり合ったまま、とろんとした瞳で上目遣いに僕を見上げてきた。


「あっ……ごめんなさい、ご主人様……♡」

「ご主人様がいるのに……二人でしてしまいました……♡」


 そして――示し合わせたように、自分たちのメイド服のスカートをゆっくりとたくし上げる。


(うわわっ……)


 あらわになった二つのイケナイところ。

 恥じらうように、けれど誘うように見せつけながら、二人は妖艶に微笑んだ。


「ご主人様をほったらかしにする悪いメイドに――」

「えっちなおしおき、してください♡」


 僕はほとんど操られるように、彼女たちのそばににじり寄った。




 その夜――僕はたっぷりお仕置きした。







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