第8話「闘技場の女戦士」〜The Arena’s Glamorous Fighter〜
砂漠を抜けた勇者一行がたどり着いた都市「アレクサンドリア」は、砂嵐の中でも聳え立つ石造りの城壁に囲まれていた。街の中央に鎮座する巨大な建造物――闘技場。そこからは怒号と歓声、太鼓の轟きが絶え間なく響いていた。
「なんだかすっごい盛り上がり! おっぱいフェスでもやってるの!?」
ミルクが目を輝かせ、胸を上下させながらきょろきょろと見回す。
「……いや、闘技場だ」
パイタロウは入り口に掲げられた巨大な石板を見上げる。そこにはルールが刻まれていた。
闘技場のルール
• 勝敗は以下のいずれかで決まる。
1. 降参を宣言すること。
2. 戦闘中に戦意を失うこと。
3. 死亡すること。
・優勝者には「永遠の栄誉」と、特別な賞品が与えられる。
その時、観客席がひときわ大きな熱狂に包まれた。太鼓が鳴り響き、砂塵を蹴立てて登場したのは一人の女戦士。
「きゃー! グラマラス様だ!」
「拳聖グラマラス! 唯一の女闘士!」
割れんばかりの歓声が闘技場を揺らす。
舞台中央に現れたのは、筋肉と巨乳を兼ね備えた女性戦士「拳聖グラマラス」
赤い拳闘衣から覗く胸は、鍛え上げられた肉体に不釣り合いなほど豊かで、力強くも柔らかい谷間を作っていた。
「揺れてこそ命!」
彼女が拳を突き上げると、胸が弾む。その一挙手一投足に観客がどよめく。
対戦相手は屈強な男戦士。鉄の鎧に身を包み、巨大な戦斧を振りかざして突進してきた。
「おっぱいに惑わされるかああ!!」
「フッ……その言葉、もう遅い」
グラマラスは軽やかにかわし、渾身の正拳を相手の胸板に叩き込む。
ドゴォッ!
空気が震え、男の巨体が吹き飛んだ。
観客が大歓声を上げる。
「すげぇ……あんな巨漢が一撃で!」
「やっぱグラマラス様の拳はおっぱいパワーだ!」
次の相手が突進してきたが、彼女は足を軸に回転し、胸を揺らしながら飛び膝蹴り。
「《バウンシング・ブレスト・インパクト》!」
渾身の技に観客が総立ちになった。
「かっこいい……」
パイタロウが呟く。
「えへへ♡ アタシと同じ“胸で勝つタイプ”だね!」
ミルクは誇らしげに胸を揺らす。
「……いや、あなたは半分以上ふざけてるでしょ」
マローネがため息をついた。
やがてグラマラスは連戦連勝を重ね、観客の熱狂は最高潮に達した。
拳聖グラマラス――その名はアレクサンドリアの闘技場を支配し、誰もが彼女を頂点に押し上げていった。
NEXT→第9話「拳聖の夢」
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