第7話『雷鳴と女神の胸』〜Thunder and the Goddess’s Bosom〜
オアシスの水面が大きく揺れた。
次の瞬間、巨体の魔物が姿を現す。全身が水でできた異形の怪物――「アクア・フラットデーモン」。
触手を広げ、咆哮を上げながら勇者一行に迫る。
「でっか……! これ、勝てんの!?」
ミルクが目を丸くし、パイタロウの腕にしがみつく。
「やるしかない!」
パイタロウは剣を抜き、正面に立った。
「炎よ、谷を護る焔となれ! 《フレイム・ティティ・バースト》!」
マローネの炎が炸裂し、敵の胸部を焼いた。だが水の体に炎はすぐ飲み込まれてしまう。
「効いてない……!?」
「なら聖なる光で! おっぱいパワー☆ 《ヒーリング・パイパイ・シャイン・スマッシュ》!」
ミルクの聖光が放たれるが、波に吸い込まれるように消えた。
「チッ……影斬りで沈める! “影牙・双閃斬”!」
チェストが飛び込み、短剣で背を切り裂く。しかし水しぶきが飛ぶだけで傷は塞がっていく。
「どうなってんだよ、こいつ……!」
「待って! もし雷を使えれば……!」
マローネが気づき、杖を高く掲げる。
「雷よ! 胸を裂く光となり、虚無を打ち払え! 《サンダー・ティティ・レイ》!」
稲妻が水魔に突き刺さり、体が大きく揺れた。
「効いてる!」
「じゃあアタシもっ♡ おっぱい全開っ! 《パイパイ・サンダー・ボム》!」
ミルクが両胸を叩くと、巨乳から雷の衝撃波が炸裂し、水面を弾け飛ばした。
「俺だって……! “雷迅牙・影断閃”!」
チェストも短剣に雷をまとわせ、背後から一閃。稲光が敵の体を切り裂いた。
「行くぞ! みんな合わせろ!」
パイタロウが剣を天に掲げる。雷光が集まり、刃を覆った。
「《ブレイブ・サンダーブレスト・クラッシュ》!」
雷鳴と共に剣が振り下ろされ、三人の攻撃と重なって巨大な雷光が魔物を貫いた。
「ギャアアアアアア――!!」
水魔の体が砕け、光に包まれて消滅した。
静寂。水面は再び澄んだ鏡のように輝きを取り戻す。
すると、泉の中心から光が立ち昇った。
そこに現れたのは――オアシスの女神。
流れる長い髪、白い衣。何より目を引くのは、溢れんばかりの大きな胸。透き通るように輝き、まるで水そのものが形を成したかのようだった。
「勇者たちよ……。我が泉を救いしこと、感謝する」
女神の声は水音のように清らかで、それでいて谷間から零れ落ちそうな神秘の艶を帯びていた。
「す、すっごい……おっぱい……♡」
ミルクはぽぅっと見とれる。
「知性と……母性の象徴……」
マローネも頬を赤らめた。
チェストすら息を呑む。
女神は微笑み、胸から柔らかな光を解き放った。
その光は仲間たちを包み、疲労を癒やし、渇きを潤す。
「この加護を授けよう。しばし砂漠の熱に耐えられるであろう」
「ありがとうございます、女神様」
パイタロウが頭を下げると、女神は再び水に溶け、オアシスの泉へと還っていった。
仲間たちは力を取り戻し、砂漠を後にした。
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