帰省したら、久しぶりに一つ年下の幼馴染みに会った話

とんでもまわっても時計

地元の駅で

(SE 電車の音)



ゴールデンウィークの慌ただしさが落ち着いた、ある平日。


二年になったことで大学生活にも慣れ、けれど一年があっという間に過ぎたことへの焦り、そしてこれから始まるだろう就活……

見えないものから追われる変な焦燥感と、それに慣れない疲労感でオレは疲れていた。



一度頭の中をスッキリさせようと、たまたまできた休講を利用しオレは実家に帰省することにした。




(SE 電車の音 )


「……っ!」


横向きのシートの揺れに心地よい眠気がやって来る電車の中。

うつらうつらしていたオレは、自分が寝ていたことに気づきハッと目を覚ました。



ここは何駅だ!?



(SE 電車の音)


電車がブレーキをかける重力を身体に感じ、駅に着いたことがわかる。


オレは必死にキョロキョロと辺りを見回し、駅名を見つけた。


よかった、寝過ごしてなかった……


(SE 電車の音)

(SE トンネルに入る音)



トンネルに入ったってことは、あと二駅か。

景色や音だけでもうすぐってわかるのも、地元って感じだな。



(SE 電車の音)

(SE トンネル抜ける)



外は相変わらず田んぼばっかで真っ暗だな。

でもそれが落ち着くというか……



(SE 電車の音)



明後日には帰るけど、それまでゆっくりさせてもらおう……



(SE 電車 到着)



着いた着いたっと。よっこいしょ。



(SE 人混みの音)

(SE 歩く音)


(SE 改札を抜ける)


(SE 歩く音)

(SE 立ち止まる)


(SE スマホ操作音)


駅に着いたよっと……送信。

とりあえずロータリーに出よう。

えーと、父さんの車はどこだ……


(SE 歩く音)


外に出てキョロキョロしていると、偶然、隣にいた人物と目が合った。どうやらその人も、同じように車を探していたらしい。



「あっ……」


「あっ……」



なんとなく見覚えがあると思ったら、幼馴染みのナナだ。ナナもオレに気づいたのだろう、二人で声を上げた。



「ナナ……」


「先輩……」



最後にナナと会ったのはオレが高校生のときだから、恐らく2年ぶりだ。

あの頃より少し大人びた顔と、会っていなかった数年が、最初の一言目を渋らせる。



(SE スマホ 着信音)



「あ、ごめん。父さんからだ……あ、もしもし?ん、あっちのコンビニの前?うん、うん、わかった。今行くよ、じゃ」



駅前のロータリーがちょうど混んでいて、車が停められなかったらしい。

オレは父さんを待たせるのも悪いし、すぐにコンビニに向かうことにした。……本当は、ナナと何をしゃべっていいかわからなかったというのが本音だが。



「じゃ、じゃあ……」


「う、うん……」



当たり障りのない挨拶をして、オレは早足でコンビニへ向かった。


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