本作は、TS転生ものとしての面白さに加え、「演技とは何か」「自然さとは何か」を深く掘り下げている点が印象的です。
派手な成功描写ではなく、呼吸や間、存在感といった繊細な表現が積み重なり、読者に強い説得力を与えています。
主人公の強さが「チート能力」ではなく、経験と観察力に根ざしている点がとても魅力的です。
特に、目立たないことで全体を支配する演技描写は新鮮で、演劇や映像に詳しくなくても引き込まれます。
家庭での顔、学校での顔、舞台での顔を使い分ける心理描写も丁寧で、人間ドラマとしても読み応えがありました。
静かに盛り上がる良作で、続きが自然と気になります。
私はカクヨムなどの小説群を読んでいるといくつか感じる事が有ります。例えば展開が繰り返されててつまらないとか、インフレを感じるとか、似たようなものを読んだことがあるとか。今述べたこれらはネガティブな事です。ですが反対に読んでてワクワクするだとか、場面が想像できるとかいったことがあります。この作品はまさに読んでてワクワクする作品でした。少なくとも読もうとスクロールする手は止まらなかった。そして話数もちょうどよく今読めばちょうどいい期待度のまま追うことができると思います。私の持論ですが、カクヨムを読む方の大半がこういった「演技」を題材にする現代ドラマというジャンルを見ようとしない傾向にあると思います。食わず嫌いが多いのです。そのせいで本当に良い作品が埋もれていってしまう。この作品は非常に面白く期待感あふれるものでした。読んだ方は星を忘れずに
掴みがもう最高です……!
平凡な舞台俳優・三上裕二が、目覚めたら中1女子「七瀬心遥」になっていて、しかも感情が“色”として見えるようになります。全く新しい設定なのに、文章が軽やかでスルスル読めちゃうのが気持ちよかったです。
私が特に好きだったのは、TSで終わらせず、本格的な“演技”にきっちり繋げているところ。演劇部での呼吸の合わせ方や、相手がやりやすい空気の作り方など、演技の描写が自然に伝わってくるんですよね。舞台俳優だからこそ、という納得感もあるし、作者様が舞台にかなり詳しいからこその説得力も感じました。
あと、TSは大好物なんですが、この作品はTSの解像度が妙にリアルで最高です。
ここからどう転がるのか、続きが気になって仕方ない作品でした。