第11章:「召喚された異世界の英雄たち」

今、私は病室のベッドに横たわっています。




医師から告げられた診断。


治らないタイプのリウマチ。




これから何ヶ月、何年にも渡る闘病生活が始まる。




痛みと疲労。


そして、不安との戦い。




でも、私は――絶対に諦めません。




この試練が、私を再び導いた。


「物語を書くこと」へ。




昔から書くことだけが、私の「生きる力」だった。




結局、私たちに残されているものは?


それは、物語。


言葉。


苦しみや孤独を超える力。




人生は不公平で、壊れやすい。




それでも、私たちは「痕跡」を残せる。


誰かの記憶に。


心に。


本に。


一つの文章に。




私は――自分の痕跡を、ここに残したい。




ここまで読んでくれたあなたに。


心から感謝します。




一人ではなく、共に歩む物語を。


これからも、どうかよろしくお願いします。


ミズキが叫んだ。


「先生! 大丈夫ですか!?」




サイトー教授は眉をひそめ、周囲を見回しながらうなずいた。


目つきは鋭く、未知の大広間を素早く分析している。




ミヨリはわずかに眉をひくつかせたが、平静を保っている。




ヒロムラ学部長は離れて立っていた。


複雑な数学パズルを解いているような顔だ。




そしてナギは、ひとり。


柱の傍に立っている。




彼の周りにはバリアでも張られているかのようだ。


誰も近づこうとしない。


視線はステンドグラスへ流れる。




彼はさっと古いフレスコ画を見た。


驚きはない。


ただ純粋な興味だけ。




ミズキはそれに気づき、慎重に一歩近づく。


「……驚いてないの?」




ナギはほのかに笑った。


「前から思ってた。いや、信じてたんだ」


「この世界…ただの夢だろ」——低い声。


「だが、どうやら…そうじゃないらしい」ミズキは言葉に詰まる。




「知ってたの!?」




ミズキの声は震えたが、すぐに自分を立て直す。


「ここはどこ?わかってるの?」




ナギは答えず、より深く笑った。




ギィィッ!




奥の大きな扉が低く唸るように開いた。


霧のような光の中――バン!


鎧をまとった二人の騎士が無言で現れた。


扉の両側に立つ、生きるがごとき彫像だ。




まるでボス戦の前触れ。




そして現れたのは――女だった。


白と金の絹の衣がゆったりと流れる。


背筋は伸び、威厳に満ちた佇まい。




顔は彫刻のように整っている。


瞳は鋭く、まるで魂を見透かすよう。


まさに……ラスボスそのものだ!




彼女は謎めいた言葉を語り始める。


しかし、一つ一つの言葉が脳を貫く。




「ようこそ、召喚されし英雄たち」


「ここはエアラニス王国」


「あなた方の到来は、古の予言に記されていた」




ミズキは呆然とする。


ミズキ!? エアラニス.!?




心臓が高鳴る。


彼女は一歩前に出る。




「……あなた、私たちの言葉が分かるの?」




女は微笑んだ。


そして、答えないまま――突然、何かが起きた……。


いつも読んでいただき、本当にありがとうございます!




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