第12話 エムSIDE エム幸せ
『闇ギルドで最強の女を教えて欲しい……俺が掴んだ情報では『拷問メイド』と『酸使い』と聞いたが、他に誰かいるか?』
『そうだね、その二人はこのギルドの看板と言える存在、間違いなく強いですね』
受付のお姉さんがまた、適当な事を言っている。
まぁ、エムは闇ギルドでないし、あながち間違ってないかな。
まぁA級の雑魚だけど、この近くならそうだよね。
『それで、その二人が戦ったらどちらが勝つんだ! 『拷問メイド』と『酸使い』……』
どっちが強いのかな?
拷問メイドなら3分位……酸使いは、ちょっと手間取って5分位かな?
尤も、虚を突くなら30秒でいけるかな?
『それに答える前に教えて欲しい……それを聞いてどうするのか?』
もったいぶらないで良いよね。
どうせ、お金になるなら受けるんでしょう?
『勇者パーティ希望の灯で今、別動隊を作ろうとしている。そこで優秀な『斥候』が欲しい! そこで目をつけたのは、その二人だ……』
勇者パーティ?
まさか、闇ギルドからとるのかな?
「闇ギルドは犯罪者が所属するギルド……その中でも悪名高い二人を仲間にしたい! そう言う事ですか? なんの冗談ですか……」
本当になんの冗談?
「冗談じゃない。勇者パーティに入れば過去の罪は帳消しだ! なかなか悪い話じゃないだろう?」
過去の罪が清算できるんだぁ……良いね……それ。
エムも大概な事してきたからなぁ……
『そう言う事なら、今すぐ二人に連絡をします! 気に入った方と……』
『お姉さん……勇者のお兄さんに嘘つくの。いけないと思うんだけど?』
うん、本当にいけないよね?
このギルド最強はエムだよ!
『ねぇキミ、嘘ってどう言う事?』
確かに強そう……だけど、子供ふだと思っている今なら……殺せそうかな。
『その二人が最強なんて嘘だよね! お姉さん!? 嘘つくのってイケナイとエム思うんだけどな?』
『私は嘘なんて……』
そういう事言うなら……殺してきちゃおうかな?
『ねぇねぇお兄さん、あたし、ここ暫くずうっとお茶引いてたの! それ私にしない?』
悪名が高くなったからか、最近依頼無いし……
とびっきりの笑顔で答えてあげた……
『いや、俺が求めているのは斥候役の実力者だガキには……』
まぁ、本当にガキだけどさぁ……勇者の癖に私の力分からないんだぁ。
『あっ、お兄さん、そんな事いうんだ!? 私本当に強いのに……そうだ! お兄さん、1時間位、ここで時間潰して待っていてよ!』
『何故だっ!』
『いいから、いいから……エムがいい物持ってきてあげるからさぁ……あと、エールとホロホロ鳥も奢っちゃうから……お願い』
1時間あれば、二人なら狩ってこれるよね。
2人を殺してくれば、エムが採用されるよね?
2人とも友達じゃない、只の顔見知りだから……殺しても問題無いし……うん、エムの幸せの為、殺しちゃおう……うんうん
『1時間だけだぞ』
私はとびっきりの笑顔を作って闇ギルドを後にしたの。
◆◆◆
運が良い事に拷問メイドは簡単に見つかった。
「あっ、エム……えっ……」
「ゴメンね……お姉ちゃんは友達じゃないから……エムの幸せの為死んでね」
ニコニコ近づき、一瞬で斧を取り出し首を斬り落とす。
「…….」
首が無くなってクルクル回りながら、うん死んじゃった。
馬鹿だよね?
敵か味方かちゃんと理解していないからこうなっちゃうんだよ!
エムは只の顔見知りなのに……友達だと思っていたのかな…….
次は……酸使いか?
こっちも簡単に見つかった。
「酸ちゃーーん」
「エム? なに、気色悪いよ! ネコナデ声だしてさぁ……どうした?」
「え~とね! バイバイ」
「えっ!?」
今回も一瞬で殺さないといけないからポケットから斧を取り出して首を跳ねたの。
本当に馬鹿ばっかり……ニコニコして近づくだけで、顔見知りだというだけで、警戒ゆるめちゃって馬鹿だよね……
だから、こんな簡単に殺せちゃう。
『拷問メイド』も『酸使いも』何回か一緒にご飯食べて、夢を語り合っただけの関係。
それなのに気を許して馬鹿だよね?
◆◆◆
「お兄さん!」
首を箱に詰めてケーキみたいにしたの……うんうん、なかなか可愛い。
「約束の時間だ……お前は一体なにがしたいんだ」
「えへへっ、プレゼント! これでエムが強いのが分かるよ!」
これで勇者のお兄さんも驚くかな?
2人の生首……簡単だったよ。
「これはまさか……」
「えへへへっ、『拷問メイド』と『酸使い』これでエムが最強なのが分かったでしょう? 良かったねお兄さん!」
これでもう、パーティメンバーはエムで決まりだね。
◆◆◆
「これで、エムが、勇者パーティの斥候役に決定! で良いんだよね? 勇者のお兄さん!」
「勿論、決定でいい! だが、素性について知りたい……聞いても良いか?」
やったーーー! エム沢山殺しちゃったから不味いんだよね?
それが無かった事になって……勇者パーティに所属したら手を出せないし……気に入らない人は殺しても『勇者保護法』で問題ない。
うんうん、最高!
素性かぁ……まぁしょうがないかな……
「う~んとね。エム凄く面倒くさいなぁ! そうだ、エムの事受付のお姉さんから聞いても良いよ!」
「だが、話してくれないんだ!」
エムが許可しないと話さない約束だもんね。
「大丈夫! 今のエムは怖くないよ? 許可してあげるから、この勇者のお兄さんにエムの事教えておいてあげて……」
「わ、わわ分かりました……」
「今日のエムは怖くないよ? 変なお姉さん……クスッ! それじゃ勇者のお兄さん! エム、ちょっと出かけて来るからね。お姉さんから話聞いておいてね」
これでよし……
「何処に行くんだ!」
「エムね、美味しい物に目が無いの……これから予約がとれたから、ラファンに行ってスペシャルパフェ食べて来る」
折角、予約がとれたんだから……行かなくちゃね。
「そうか……」
「うん、あとお姉さん、これ依頼の品、はい!」
闇ギルドの指名依頼で『シオリン』を狩って来たんだよね。
私と同じロリキャラだし、なんか被るからムカつくし……
今迄、提出するの忘れていたよ……どうでもよいんだけど…….
アイスドールと爆裂の申し子も一緒にいたから、つい狩っちゃったんだけど、問題ないよね。 まぁお金にならないだけだもん。
本当に馬鹿だよね……無防備に食事していたから痺れ薬をこっそり。
動けなくなったら、ザクザクザク。
それでもう……終わり。
「もう……終わったの?」
「うん……楽勝だった! 凄く弱っちかったよ! それじゃお兄さん……」
「うん? どうした……」
「居なくなっちゃ嫌ですよ! 居なくなっていたら……エム殺しちゃうかも……なんちゃって」
勇者パーティになれば、罪が全部無くなる……そしてこれからは嫌いな人殺しても、誰も文句言わない。
エム……幸せ。
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