第2話 美少女魔王、初めての魔法とハプニング
ユマ・ルシフェル、元佐藤悠真は、魔王の城の玉座に座りながら、目の前の状況に頭を抱えていた。転生して美少女になった衝撃から一夜明け、鏡を見るたびに自分の姿にドキッとする。銀色の長髪が肩を滑り、赤い瞳が妖しく輝く。黒いドレスは相変わらず露出度が高く、胸元が開きすぎで、歩くたびにスリットの裾が脚を撫でる。女の体の感覚は、想像以上に敏感だ。胸の重み、腰のしなり、肌の滑らかさ──全てが新鮮で、歩くだけで意識してしまう。「この体、慣れるの無理ゲーじゃね?」と内心で呟くが、鏡の中の美少女は少し頰を赤らめて微笑んでいるように見える。
朝の光が、城の高い窓から差し込んでいた。黒大理石の床に光が反射し、ホール全体が幻想的な輝きに包まれる。窓の外には、魔王の庭園が広がっている。紫色の花が咲き乱れ、遠くには黒い翼の魔物が飛び交う。空気には微かな魔力の粒子が漂い、鼻をくすぐる甘い香りが混じる。「異世界って、こんなキラキラしてるんだな…」ユマは窓辺に立ち、風に髪をなびかせながら思う。だが、背後からクロウの声が響き、夢見心地から引き戻される。
「ルシフェル様、本日は魔王の力の試練の日です。魔法の訓練をお願いいたします!」
クロウの熱い視線が、ユマのドレス姿をなぞる。参謀の彼は忠誠心の塊だが、その目は時折ユマの曲線に吸い寄せられる。「お、お前、目線下げろよ!気持ち悪いって!」ユマが抗議すると、クロウは慌てて視線を逸らし、顔を赤らめる。「申し訳ございません!ルシフェル様の美しさに、つい…」その言葉に、ユマの胸がドキッとする。この体、なんでこんなに反応するんだ?心臓の鼓動が速くなり、頰が熱くなる。
訓練場は、城の地下に広がる広大な空間だった。天井には光る水晶が吊り下げられ、青白い光が石壁を照らす。中央には魔法陣が刻まれ、魔力が渦巻いているのが肌で感じられる。リリが弾んだ声で説明する。「ルシフェル様、まずは基本の攻撃魔法!火球を撃ってみてください!」彼女の金髪が揺れ、フリルのメイド服が少しずれて肩が覗く。ユマは「可愛いな…って、俺、何考えてんだ!」と慌てて首を振る。シアはクールに魔法書を手渡し、「集中してください、ルシフェル様。魔力は心と体で感じるものです」と言う。その言葉通り、ユマは下腹部に温かい力を感じる。だが、その感覚が体の敏感な部分に響き、思わず「うっ、変な感じ…」と呟く。
魔法の練習が始まった。ユマが手を掲げ、魔力を集中すると、指先に赤い光が集まる。「ファイアボール!」と叫ぶと、巨大な炎の球が魔法陣に激突。衝撃でドレスの裾がめくれ上がり、太ももが露わに。リリが「キャー!ルシフェル様、セクシーですわ!」と目を輝かせる。クロウは鼻血を抑えるように咳払いし、シアは冷静に「ドレスの設計を見直すべきですね」と呟く。ユマは顔を真っ赤にして叫ぶ。「お前ら、ちゃんと見てろよ!服のせいにするな!」だが、内心ではこの体の反応に戸惑う。魔法を使うたびに、体が熱くなり、胸が揺れてドキドキする。「女の体って、こんなに感じるもんなのか…?」
次に試したのは、魔王の固有スキル「魅了の魔眼」。クロウが「人間を従わせる力です」と説明するが、ユマは「そんなヤバい力、使いたくねえよ…」と抵抗。しかし、試しにリリに視線を向けると、彼女が突然頰を染め、「ルシフェル様、なんて美しい…!」と抱きついてくる。柔らかな胸がユマに押しつけられ、甘い香りが鼻をくすぐる。「ちょ、離せ、リリ!近いって!」ユマは慌てて引き剥がすが、体の火照りが止まらない。クロウも目を逸らし、シアが「制御が必要です」と冷静に指摘。ユマは「この力、めっちゃ危険じゃん…」と頭を抱える。
その日の午後、城に人間界からの使者が訪れた。クロウが緊張した声で告げる。「ルシフェル様、人間の王国の使者が和平交渉を望んでいます。どうぞ玉座へ。」ユマはドキドキしながら玉座に座る。ドレスの胸元が気になり、姿勢を正すたびに布地が肌に擦れる。使者は若い騎士で、名はレオン。金髪に青い目、凛々しい顔立ちだ。だが、ユマと目が合うと、彼の顔が真っ赤になり、言葉を詰まらせる。「ル、ルシフェル様…その、美しさに…和平を…」ユマは内心「え、なんでコイツ動揺してんだ!?」と思うが、魅了の魔眼が無意識に発動しているらしい。レオンがよろめき、膝をつく姿に、クロウが嫉妬の視線を向ける。「ルシフェル様、彼を魅了しすぎです!」と抗議。
交渉中、ユマが身を乗り出すと、ドレスの肩紐がずり落ち、肩が露わに。レオンが鼻血を出し、リリが「ルシフェル様、色っぽいですわ!」と拍手。ユマは「やめろって!これ、わざとじゃないんだから!」と叫ぶが、場の空気はカオスに。シアが冷静に肩紐を直し、「次は動きやすい服を用意します」と呟く。ユマは疲れ果てながら思う。「魔王って、こんなハプニングだらけなのかよ…」
夜、ユマは城のバルコニーで一人、星空を見上げていた。異世界の空は、紫と青の星々が輝き、まるで宝石箱のよう。風がドレスを揺らし、肌に冷たい感触が走る。「この体、慣れないけど…なんか悪くないかも」ユマは自分の銀髪を指で弄び、微笑む。だが、内心では葛藤が続く。「世界征服とか無理。俺、平和に生きたいだけなのに…」そこへ、クロウが現れ、「ルシフェル様、明日は人間界の勇者が来るそうです。ご準備を。」ユマの心臓が跳ねる。「勇者!?マジかよ…」
美少女魔王のドタバタな冒険は、まだまだ始まったばかりだ。
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