第二射 友と変人と因縁と

「全く……初日からこれか」




本当に……ついてな……




ってあれ?




傍から聞こえる声に驚き、私は固く閉じていた目を開く。そこにあったのは……




「おっ、やっと起きたね。早速ですまないんだけど、君、結界魔法が使えるんだろう?電車から降りて手伝ってくれないかな?」




黒髪の青年が炎を纏った巨鳥を撃ち落とし、まるで王子様のように微笑む姿だった。


脱線することなく、本来あるはずの姿で線路上に鎮座する電車の中の人々は私と同じように死を覚悟していたのだろう、皆呆然と突っ立っていた。それでも、外装や窓ガラスのヒビや崩壊といった多少の損壊が先ほどの戦いが夢ではなかったことを示している。あまりに想定外な事態に、思考が追い付かない。




私は纏まらない思考の中で、この場に似合わない青年の爽やかな笑顔を見て小さくつぶやいた。




「は、はひ……」




この選択が正しいのか間違いなのか、それは神のみぞ知るところだが、今日の私ならば神よりも正確な答えをはじき出せることだろう。




間違いなく間違いである。







彼の頼みを受け電車から降り、線路上に立つ。何気に線路に立つというのは人生初の経験である。


ってそんなことはどうでもよくて……




「えっと、私……なんで生きてるんでしょう?そして、あなたは一体……というかどこから来たんですか?」




今更だがあの突進を彼の銃だけで止められるとは思えないし、どうして電車が無事で、私たちは生きているのか不思議でならない。それにこの人、どこから来たんだろう?乙女ならば一度は憧れる神シチュエーションのせいで気にすることも出来なかったが、線路に立ってるってだけでかなりの変人だ。いや私は彼のせいでいるわけだから自ら立っているわけではないというか……




「質問が多いなぁ……まぁまず一つ目、奴がぶつかる瞬間に俺が結界を張ったから皆助かったんだ。そして二つ目、俺には名前が無い。好きなように呼んでくれ。そして三つ目だが、駅から走ってきた。本当に疲れたよ……」




……とても胡散臭い。


先程まで周りに金粉と見紛う程の美しいオーラが見えていた気がしたのに、今ではただの変な人にしか見えない。




「でも、実際アイツは落ちてるのよね……ただの変な人じゃないのかしら」




「おーい、丸聞こえだよー?」




はっ、しまった!口に出すつもりはなかったのに……




「あっ、いえ!なんでもないので!えっと、名前が無いんですね?好きに呼んでいいとのことですし、変な……お兄さんと呼ばせてもらいます!」




「また変な人って言おうとした……」




まずい、目に見えて落ち込んでる!この人の協力が得られなきゃアイツにやられてしまうかもしれない。ここはなんとしてでも協力を得ねば……




「そ、そんなことより!あれはいったい何なんですか?サテライト………なわけないですよね?だってここ市街地ですし……七色の庇護下にあるこの街に入ってくるだなんてありえないですもんね!」




半ば強引に話を変える。だが、このことについては実際気になっていた。本来この街には現在の人類の最高戦力とされる七色が筆頭、月影・フォーサー・ヘイムダルが常駐しており、異変があれば彼が即座に駆け付け敵を一掃してくれるはずである。




「…………とても言いにくいんだが、あいつはサテライトだよ。それにヘイムダルさんは来ないよ。さっき電話があってね。『久しぶりの弟子との再会だ、君がこの数年で格段に引き上げただろう実力を見せてもらうよ』……ってな具合でさ。ほんと参っちゃうよ………」




まさか、本当に奴がサテライトだったなんて…………先ほどの攻防を思い出し、無事でよかったと喜ばずにいられない。だが、彼がへたくそな声真似をしていた対象が本当に彼だとするなら、この電車を覆いつくすほどの結界、燃える鳥を撃ち落とす技量、そして聞いた限りでは変人としか思えない奇行……これらもつじつまが合ってくる。




「やっぱり七色の関係者なんですね。それなら話が早いです。………さあさああんな奴、ぶっ飛ばしちゃってくださいよ!ほら、バーン!って!」




私は今すぐこの場を離れたい。この変な人があの月影………『校長』にすら認められるほどの人であるならば、こんな木っ端学生の助けなどなくとも奴を葬れるはずである。なぜ私が巻き込まれねばならないのか、皆目見当もつかない。




「いや、それじゃ困るんだよ……もう結界も使い切っちゃったし、君の助けがないことには被害は免れないんだ。お願いだよ!えっと……」




「あっ、サターシャ………サターシャ・降星・メルベルンです……」




あっ、まずい、変な人に本名を名乗ってしまった……




「サターシャ!お願い!」




なんともみっともないことに、土下座までし始めた変……お兄さん。うぅ、車内からの視線が痛い…………




「わ、分かりました!分かりましたから早く顔を上げてください!」




「本当!?ありがとうサターシャ!」




本当にうれしそうに笑うお兄さん。………うーん、やはりよくわからない。




「まずは電車を逃がさないとね。車掌さーん!」




青年はどうやら本気で被害を出さずに奴を倒してしまう腹積もりのようだ。私なんかが、こんなニュースでも大々的に報道されるレベルの事件に巻き込まれるだなんて……今日は本当に運が悪い。




お兄さんの要請により、電車は駅へと向かって発射した。これで一般人を巻き込むことはないだろう………と思った矢先、ある人影が私に近づいてきた。




拳を強く握りしめ、俯きながらこちらへと、先ほどの威勢はどこに置いてきたんだとツッコミたくなるほどに神妙な面持ちで、彼女は歩いてきた。




「………あいつは、アタシにやらせろ」




ぶるぶると、小さく震えながらも精一杯強がる少女。


そう、先ほど老婆に絡んでいたあいつである。




「えーっと……あなたはさっきのおばあさんに絡んでた………」




「ちっ、あれやっぱお前の魔法か…………」




バレてた!?何故!?




「そんなに不思議かよ、すげえ顔してんぞ………アタシの能力は『魔眼』だからな。魔力の流れも見えるんだよ」




あぁ、なるほど。それならば納得である。




この世界の住人はルナとのコンタクトにより様々な能力を獲得したが、その能力も大きく二つに分けることができる。


一つ目は私の『断絶の剣』ように『魔力』と呼ばれるまったく新しいエネルギーを体内に宿し、『魔法』を放てるようになる能力。この能力を持つ者は『魔法種』と呼ばれ、能力には人によってかなりの差があり、体内の魔力量、放てる魔法の効果、種類、威力、どこをとっても基本は全く別種の能力となる。双生児のような、存在としてかなり近しい者どうしは似たような能力を得る傾向にあるとの話も聞いたことがあるが、結局は推論であり、あの空に浮かぶルナの思惑を図り切れる者はいまだ現れていない。




二つ目は彼女の『魔眼』のように体の一部、または全部分が元来の人間としての姿から大きく離れた物に変わってしまう能力。この能力を持つ者は『変異種』と呼ばれ、人によっては意識まで完全に乗っ取られてしまった者もいたらしく、当時は大きく報道されていた。そしてこちらの能力は、個々人間での類似点が多めである。彼女の『魔眼』というのも大き目な枠組みでの呼び名であり、実際はさらにその能力に合うような名称がつけられているはずだ。




彼女の『魔眼』には魔力の流れが見えるようだが、流石にそれだけではないだろう。




「それは分かったけど、あなたはどうしてあいつと戦いたいわけ?わざわざ危地に飛び込む必要なんてないでしょうに……」




「……梔子鏡花」




「え、なに?」




「あなたじゃなくて梔子鏡花くちなしきょうかだ……寒気がするからやめてくれ」




ぎろり、と分厚い鉄板も貫きそうなほど鋭い眼光で睨まれる。そう毎回睨まなくたっていいじゃない………




「分かったわ。それじゃあ鏡花はどうしてあいつと戦いたいの?」




こうして名乗りを上げてきたのなら何らかの理由があるはずだ。




「…………話さなくちゃならねぇのか?」




先ほどの鋭利な眼光から一転、鏡花は何かに怯えるような表情を見せる。




「あ、いや、話したくないならいいんだけど…………」




と、気まずい空気が流れる中、




「おーい、電車の退避が終わっ………その子は?お友達?」




発射した電車を見届け終えたお兄さんが帰ってきた。ナイスタイミング!




「あっ、お兄さん。この子は鏡花というそうで…………」




「……あんた、なにもんだ?」




突如、鏡花が臨戦態勢をとる。え、なに?もしかして合わせちゃいけない人たちを引き合わせちゃった感じ?




「……アタシがおかしいわけじゃねぇよな?でもこんなこと、ありえるはずがねぇ………」




どうやら過去に因縁があるとかの類ではないようだが、何らかの問題が発生しているようだ。




「えーっと……俺は怪しい者じゃない………よ?」




困った顔でこちらに助けを求めてくるお兄さん。そんな目で見られても………




「あの、えーっと………鏡花?多分この人は敵じゃないと思うよ。そりゃあ確かに変だけどさ、それってそこまで気にするほどのことでもないじゃん?さっきも助けてくれたわけだし!」




い、一応助け舟(と呼んでいいのかこれは………)は出した!あとは自力で何とかして!




「……今のところは見逃してやる。あいつを撃ち落としたのはお前だな?」




「え、うん。そうだよ。それがどうかした?」




「あいつは………あいつだけは………アタシに倒させてくれないか………?」




やはり弱弱しい態度で頼み込む鏡花。この態度を見るに、過去にあいつと因縁があるのだろう。それでどうしても倒したいというわけだ。




鏡花の目的と望みを大まかではあるが察した私も、彼に頼み込んでみることにした。




「お兄さん、私からもお願いします。私は鏡花とたった今さっき知り合ったばかりですけど、この子にはきっと、何か重たい理由があると思うんです!」




「お、お前………」




「お前じゃなくて、サターシャ。サターシャ・降星・メルベルンよ」




「さ、サターシャ………ありがとな」




とても照れくさそうに礼をいう鏡花。なんだよぉ、いい顔するんじゃん?




「……分かった。ただし、いくつか条件を付けさせてもらうよ」




私のお陰で(私のお陰で!)若干間をおいてお兄さんも承諾してくれた。




「あぁ、それでいい」




グッと、強く拳を握り、彼女は小さくつぶやいた。




「今、解放してあげるから…………ね」







アタシが不死鳥の討伐を行うにあたり、胡散臭い男(サターシャ曰く、『変なお兄さん』)からいくつか条件を付けられた。




一つ、男、アタシ、サターシャの三人での戦闘を行うこと。




二つ、サターシャの結界魔法を用いて周辺被害を最小限に抑える動きをすること。




三つ、男の指示に従うこと。




四つ、男の参戦時、決して加勢に入ろうとしないこと。




二つ目、三つ目は想定していたし、アタシが無理を言っている立場なので受け入れようと思っていたが、四つ目に関しては意味が分からない。アタシの能力、『深淵写鏡』が相手の中身まできれいさっぱり理解しきる能力である以上、その条件を侵すことはないだろうが、いったいどうしてこんな条件を付けたのだろうか?それに、あの男を見た際アタシの眼に映ったのは、どこまでも続く深淵だったことも気にかかる。能力名はどこまでも見透かすこの魔眼を表すためつけられたものだが、まさか本当の深淵を覗くことになるとは思ってもみなかった。




「あの……不死鳥がまだ動いてないんですが………もしかして、さっきので倒しちゃってたりして!?」




サターシャはよほどここにいたくないのか、先ほどから何かにつけてこの状況を終わらせようと奮起している。よく見ると、美しいプラチナブロンドの長髪はぼさぼさに乱れており、吸い込まれてしまいそうな深い蒼を湛えたその碧眼には疲れと興奮の感情が浮かんでいるのが見て取れた。


魔眼を使わなくたって分かる。今日は、彼女の人生の中でも類を見ないほど非日常的で、最悪に運が悪くて、死にそうなほどに摩耗する日だったのだろう。




「……羨ましいよ」




「へ?何か言った?」




「いや、何も。それに奴はあの程度で倒せたりはしねぇ。見てみろ、炎が消えてんだろ?今奴は炎を体内で燃やして、命を取り戻してるんだ」




「へぇ、よく知ってるね。えっと、鏡花………だっけ?もしかして君、あの事件の生き残り?」




どうやら、この男はあの事件について知っているようだ。なぜなのか分からないが、何も起きなかったことにされたあの事件。世界にいなかったことにされたあの人たちのことを。




「あんたは………あんたはあの日のことを、知ってるんだろ?なら、どう思った?どうして皆は………この世界に存在しなかったことになってるんだ?」




「そ、それってどういうこと?全然分からないんだけど…………」




サターシャはやはり効果範囲内だったようだ。


今までなら、まずありえなかったことだ。この男、本当に何者なんだ?




「俺がその事件を知ったのは、ある人物に聞いたからだ。七色が一角、『全知』のレイシアが教えてくれた。俺にしか理解できない、お前以外では生き残りを救えない、と」




「……………………」




『全知』のレイシア…………アタシでも聞いたことがあるくらいの有名人だ。全能の超人、月影・フォーサー・ヘイムダルによって組織された地上最強の超越者たちの集まりに属するその女は、私のような『変異種』の中でもまた異質な、生物以外と融合されてしまった極めて珍しい能力を持つらしい。たいして情報収集にたけているわけでもないアタシにはこれぐらいしか知らないが、逆に名前だけでも知っている時点でかなりの重要人物である。


まさかそんな人物があの惨劇を知り、アタシを心配しているだなんて思いもしなかった。




「俺が思うに、あの不死鳥にはある能力がある。それは………」




男の言葉は、突如響いた爆発音によってかき消された。




まるで空爆でも受けたかのような爆音と吹きすさぶ熱風から必死で身を守る。




…………不死鳥か。




「奴には、殺した対象の魂を吸い取り、自らの次の命の核とする能力がある……………そして魂を吸われた人間は、生物の存在証明となる肉体も魂も失くした状態となり、この世界から忘れ去られる。そう考えると、繋がりの深い人に記憶が残ることにも辻褄があってくると思わないか?」




再び生命の灯を取り戻し、赤く炎を燃やす不死鳥が空を駆ける。すぐに手を出してくることはなく、先ほど命を奪った男を警戒しているようだ。奴の炎が激しく燃え上がり、周辺の空気すらも燃やし尽くしていく。


この息苦しさも、あの日の悔しさも、恐怖も、トラウマも、アタシの中で小さな炎となる。




不滅の炎をこの小さな炎で焼き尽くすと、あの日固く誓ったのだ。







「さて、それじゃあ始めようか」




愛用しているリボルバー式の拳銃、『無銘コードレス』に最大装填弾数である八発が込められていることを確認し、弾倉を格納する。口径8.6ミリとやや小さくはあるが、特殊な材質でできており、軽量ながらも連射しやすく、高威力の弾薬も使用可能である優れものである。


今回は相手が相手なので、こんなこともあろうかと奮発して買っていた特殊な弾薬を装填しておいた。できることなら使いたくはなかったんだけどね……………




「あぁ、アタシはいつでも行けるぜ」




その拳を打ち鳴らし、獰猛に笑う鏡花。彼女の因縁は、俺とレイシア、そして彼女にしか知りえない悲しい記憶である。だが、彼女はきっと、今日、その因縁を晴らして見せるだろう。




「も、もうここまで来たらやるしかないよね…………よーし、や、やるぞぉ、やってやるぞぉ………!」




サターシャは何やらぶつぶつとつぶやいているが、今回の戦闘の守りの要は彼女なのだからちゃんとしてほしい。




不死鳥はいまだ警戒態勢をとっている。慎重なのはいいことだが、あまりに慎重すぎても足元をすくわれる。そう、今回のように。







「サターシャ!周囲に極大範囲結界、鏡花に護身結界を!鏡花!やりたいことやってこい!」




「おう!」




「はい!『アンリミテッドガードフィールド』とぉ…………『存護の神剣』!」




サターシャの魔法により、アタシたちを囲む極大の結界が張られ、アタシのすぐそばに光を集めて作ったかのようなまばゆい輝きを放つ剣が三本浮かんでいた。この剣たちはアタシの思い通りに動くようだ。どちらの魔法にも尋常ではない量の魔力が込められており、サターシャの技量の高さが見て取れる。




「アタシも負けてらんねぇ…………なっ!」




アタシは三本の剣を代わる代わる足元に召喚し、空を駆けた。遠距離攻撃の手段を持たないアタシではこうするほかない。




「そ、そういう使い方もできるんだ…………」




サターシャは若干引き気味だが気にしないでおこう。




「『深淵写鏡』、オープン」




アタシの言葉に合わせ、魔眼の効果が発動する。


奴の弱点は…………翼の付け根か。どうやら身体構造的に重要な器官がそこに集まっているようだ。ならばそこを狙うのみ。




不死鳥に続く光の階段をものの数秒で駆け上がり、跳んだ。




はるか上空、男に対して警戒を抱いていた不死鳥の虚を完全に突く形で奴の真上をとり……………




ゾクッと、全身に悪寒が走る。




「クソっ!」




剣の内一本を召喚し、不死鳥の放った超高温のブレスを切り裂いた。だが、光の剣もただでは済まず、熱でドロリと溶けてしまった。


だが、、おかげで一瞬の隙が生まれた。




「オラぁっ!!!!!」




全体重と重力加速度を乗せて放った渾身の右ストレートが奴の翼の付け根に突き刺さる。赤い炎に焼かれながら、アタシは不死鳥とともに落下する。さらに光の剣の内一本を脳天に突き刺し、もう一本をつかんで脱出する。全身に軽いやけどを負ったが、こんなものは序の口である。




「鏡花、すごいよ!あの化け物相手にあんな動きができるなんて!」




サターシャが嬉しそうに叫ぶ。まぁ、褒められるのは嫌ではない。




だが、これで終わるはずもない。




不死鳥は落下しながらも途中で命を吹き返し、今度は攻勢に出てきた。




耳障りな咆哮とともに、奴の背後に何枚もの巨大な魔方陣が現れる。




一際大きく嘶いたその瞬間、無数の魔方陣から巨大な炎の塊が飛び出した。




「ちょ、こんなの耐えられませんよ!ドドドどうすれば…………!?」




サターシャがパニックになる。無論、アタシだって今すぐこの場から逃げ去ってしまいたくなるほどに恐ろしい光景だった。天から飛来する炎弾はまるで神の裁きのようで、とてもこの世で起こっていていい事象ではなかった。




だが、男は狼狽えるアタシたちを尻目に、至極冷静な様子で拳銃を天に掲げ、撃鉄を起こし、引き金を引いた。




鈍い弾薬の破裂音が響く。




そして、次の瞬間に残っていたのは。








天から降り注ぐはずだった炎の弾が跡形もなく消え去り、青く晴れ渡った快晴の空と、その片翼を失くし、再生も不可能となって不格好に飛ぶ不死鳥の姿であった。

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