隣に住む七福神はトラブルメーカー
砂坂よつば
トラブルメーカー
僕の住むアパートの隣人は俗に言う縁起の良い神様達らしい。
……が今、僕の部屋を訪れた困り顔の女神は
女神「あの……醤油貸して頂けませんか?」
女神「はい。この大瓶に入れて頂けると助かります。余ったらお返しますので」
と頭を下げた女神こと隣に住む七福神の1人弁財天は頭を下げながら大瓶を差し出した。
僕は、戸惑いながらも大瓶を預かり家に半分しか残っていない醤油を全て注ぎ入れ大瓶を返した。
弁財天は深く頭を下げ僕に微笑むと足早に帰って行く。あの場で訂正はしなかったが、多分貸すじゃなくて分けて欲しいと言う事だろう。1、2時間後今度は恵比寿が慌てた様子で尋ねて来た。
恵比寿「兄ぃちゃん!わいが可愛がっとる
榊「鯛子?……どんなお子さんですか?」
恵比寿「子供やあらへん。魚の鯛やで」
『魚』かよ!?と思わず言いかけたが、よく考えたら彼はいつも鯛を大事に持っていたなと思い出した。
榊「すみません。見ていませんね」
と返事をすると彼は「鯛子〜」と叫びながら僕の部屋を後にした。
それから言うもの大黒天が小槌を無くしたから探して欲しいと懇願されたり、福禄寿が「家賃代を貸してくれ」と2ヶ月に一回お金をせびりに来る事も。
寿老人からは奈良県の鹿の世話をして欲しいと頼まれることもあった。神獣である動物をどう扱っていいか悩んでいたら鹿が半笑いで僕に向かって何度もお辞儀をしていた。後から知ったが、鹿のお辞儀行為は催促や威嚇らしい。
布袋尊に至っては「M1を目指しているからコンビを組んでくれないか」と何かにつけては僕を芸人の道を歩ませようとしてくる。1番まともと思っていた毘沙門天は勝負ごとが好きで競馬やゲームセンターへ遊びに連れてってくれるが、自分が負けそうになると暴れ出し毎回警察沙汰になる。
こんな生活が続いたある日。叔父から再び連絡が来た。
叔父「今度、お前の上の階に座敷童が来るらしいぞ、よろしく頼んだ」
この一言で僕は引っ越しを決意するのだった。
【終】
隣に住む七福神はトラブルメーカー 砂坂よつば @yotsuba666
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