第2話
はぁ...とんだ災難だったな。
まぁ一応絆創膏は貼ったから、大丈夫だとは思うけど。
...つーか、お前が俺を不審者呼ばわりしたの、まだ根に持ってるからな。
へへ、ウソよ、ウソ。からかいってやつ。全然うちのことはからかってOKだから。
つか、いずれ別れるかもだけど、そん時もまぁ...レストランとか一緒に行ったり?できたらいいよな。
...え、スゲー不審者のくだり引きずるじゃん。そんな真っ黒の奴と食事行ったぐらいで職質受けねぇって。
ま、お前が他のギルド入っても別にうちが死ぬわけじゃねぇからな。
つうか、もしかしたら同じギルドかもな。
...え?ギルドってなんだって?
まぁ...クエストを受注する団体、的な。
この町の真ん中に市役所があってさ。そこで決めれる。
まあ基本自由で、いつでも変えれるはず。
まぁ、そんな感じさ。
うちだってお前を案内してる以上は働かせないといけないからな。
...え?ギルド以外の道?
いや、君ほら。立派な剣持ってるじゃん。
てっきりする気満々かと...
...あぁ、結局するのか。じゃあ後でギルドに案内しないとな。
よし。案内の再開だ。
ここがさっきやばかった服屋。
まぁ、あれを見てうちらに突っかかる野郎はいないっしょ。
さぁ、どれにする?
...あぁ、それ?センスいいね。
うちはほら、真っ黒だし。
試着もできるからやってみなよ。
...おお、いい感じ。
もう買う?買っちゃうか。
よし。
「商品お預かりします。」
明らかにうちの財布、薄くなってるよな...
「丁度お預かりします。ありがとうございました。」
ありがとうございます。
よし。じゃあ次は...どこ行く?
...え?もっと大きい声で言...
のわぁ!!デカっ!!でかすぎ!!!
...あぁ。え、えっと。武器屋は、ギルドに入らないと。
じゃあ先に市役所行く?行くか。オッケー。
...絶対今ので不審者扱いされたぞ。主にこっちが。
もーマジだるい...
なんでこんな手間かかる人案内したんだろ。
よし。ここが市役所。
ここでギルドに入れるはずなんだけど...
すみません。ギルドってどこから入れますか?
「はい。では、最初に本人確認として、狩猟証明書を提示できますか?」
...あ。待って。完全に失念してた。最初に狩猟証明書がいるんだ。
すみません、またあとで来ます。ごめんなさい。
...えっとね。スゲー簡潔に言うと、スライムを倒さないといけない。
5匹ぐらい。まぁ、その剣があるなら大丈夫とは思うけど...
つうか、俺のリボルバーがあるし、カバーは完璧だから。
ささ、早めに行こうぜ。あっちに門がある。
「こっちの魔物は俺が対処する!そっちに回ってくれ!」
「はい!」
...ありゃ、どうなってんだこれ。
すみません、何かあったんですか?
「これ?私も知らないんだけど、なんか魔物が大量に来てるらしくて。」
はあ...なるほど?
えっとつまり、今は門は通れないと。
はぁ...マジで言ってんのか?
これじゃうちら動けないぞ?
特にもう行くところもねぇし...どうしようかなぁ...
「あ、ロールハットさん!ちょっと協力して頂きたくて...」
ん?ああ、兵士さんか。この件か?ごめんだけどお断りしたい。
というのも、今新人とツアーを...
「いや、というのも西門からスライムが大量に来てて。
それをお二人に狩ってほしいんです。
特に新人さんはまだ証明書も持ってないでしょう。
あれだけで20枚は作れますよ。」
えっと...百体狩れと?それはちょっと無理がある...
「じゃ、お願いします!それでは任務があるので!」
...あぁ、えっと。まぁそういうこと。
記念すべき...?初任務って感じするね。
じゃあさっそく...あ、武器?
うーん、拳...も無理だよな。なんせスライムだし。
えっと...これでいける?
うちの持ってた警棒...よし、いい感じだね。
...え、スライムに警棒効くのかって?
あぁ、それは魔力の入った警棒でね。触れただけでスライムを溶かせるのよ。
で、そのまま土の肥料ってわけ。オッケー?
後ろはうちがカバーしとくから任せといて。
じゃあ、今度こそ行こう。
ここが西門だね。
おぉ。大量のスライムがこっちに来てる。
早速任務を始めようか。
...
...そうそう。そんな感じ。
後ろもちゃんとケアして...
...君、案外うまいね。照れてんじゃねぇよ。
...あ、ちょっと待って。残りの5匹はほら、証明書で必要だから。
捕らえて...持っていく。ちっちゃめの個体でいいよ。
ほら、この袋あげるから...
...よし。こんな感じかな。いい感じに捕らえたね。
じゃあ、あっちに完了報告してから市役所に...
「あ、お二人さん!ちょっと来てください!」
ん、なんか向こうから呼ばれてるね。行こう。
「あの、スライムを討伐してくれたのはいいんですけど...
ちょっとこっちで面倒くさいことになって。」
はあ...?一体何が?
「それがですね...正門の魔物の勢いが激しすぎて、抑えられなくて。ロールハットさんに援軍をお願いしたく。」
...なるほど。えっと、君はどうしてたい?
...うん、一人でいるのは怖いよね。
...酒屋?あー、確かに。
あそこならマスターもいるし、身を守れる。
じゃあ行っておいで。
...
...あ、一緒に来てって?
えー。まあいいけど、怖がりだなぁ。
...え、結局あの誘拐犯はなんだったんだって?
あーあれね。あれさ、そこらの研究員らしい。
どうやら、前世とここに来る人との関連性を調べてるだとか。
でも、あのやり方はないよね。強硬すぎるというか。
多分、バイトみたいな感じでやってるんだろう。
...よし、ここだな。んじゃあ、ここで待っておいてね。
「お、いらっしゃ...あ、新人くん。
もしかして...あの騒ぎかな?
なんで分かるかって?そりゃあ、アンテナは張ってあるからねぇ。」
「マスター、ストレートを一つ。」
「はい、ストレートね。
あ、新人くんはそこの席に座ってていいよ。」
「...あ、それはスライム?
ってことは、証明書を取りに行くのかな?」
「だよね。私と一緒に行くかい?」
「よし、そうと決まれば、市役所に行こう。」
「外も晴れてるねぇ。散歩日和だ。
さて、君はこの世界で何をしたいとか、考えてるかい?
...特に、か。まぁ、最初はそんな感じでも大丈夫だよ。
私だって昔はねぇ...ギルドにいて無双してたものだ。
おっと。そんな話をしてたら、市役所についたね。」
「こんにちは。狩猟証明書をほしいんだけど。」
「はい。では、証明用の物品を提示してください。」
「えっと、それだね。出してみて。」
「はい、確かに受け取りました。
それでは、登録を行いますので、証明写真の撮影と個人情報の書き込みを行います。
あちらへどうぞ。」
「あっちだね。いってらっしゃい。」
「では、最初に生年月日と転生年月日、
転生前の名前を、こちらのシートにお書きください。
転生年月日は、あちらに書いております。」
「こちらで確定いたします。では、次に証明写真の撮影をいたします。
あちらへどうぞ。」
「では、こちらでは証明写真を撮影いたします。
そちらに座っていただき、そのまま待機してください。」
「ありがとうございます。あちらへお進みください。」
「お、帰ってきた。」
「こちらが証明書となります。ありがとうございました。」
「おぉ。きれいな証明書だね。私の持ってるものから随分と進化してる。
じゃあ、戻ろうか。お客さんも待ってるだろうし。」
「そういえば。今日ももうそろそろ夕暮れだけど、
今晩のお宿はどうするおつもりで...?
...ロールハットに聞くんだね。まぁ、最初はそれがいいと思うよ。
別に私と酒屋の屋根裏で横になってもいいけど...嫌がるだろうしねぇ。
そろそろ酒屋に着くね。」
「お、いる。」
あ、戻ってきた。
よし。任務はちゃんと完了させた。これで魔物は帰っていくはず。
だから安全ってこと。
「それはよかった。
で、それとは別の話なんだけど、今日のお宿はどうするおつもりで...」
...あぁ、忘れてた。どうするよ。
...なんて?
...えっと、うちの家はダメ。絶対。
...おまかせ?えぇ。そんな知ってるところあるかな...
...あぁそうだ。あそこに団地があるから、そこにしたらどう?
宿ってより、住む感じになるけど。
...お、案外興味ある?
ならいいじゃん!早速手続きしとくね。
え、金かかんないのかって?
あぁ。団地ってまぁ、生活保護みたいな感じだからさ。
自動的に補助金はかかるはず。まぁ、そこらへんは確認しないとね。
じゃあ、一緒に行こうか。あっちだね。
~つづく~
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