第14話 ability

神様が何をしたかは分からない。

手を叩いた神様はそのまま女子高生から思念を外したらしかった。

何故なら女子高生は訳も分からない感じで逃げて行ったから、である。

俺はよく分からないまま女子高生を見送り。

皆月達と楓達を見た。

全員、神様の事で話が逸れたので無言になっていた。


「まあ。変な事もあったし今日は大人しく引き下がるけど」


四辻がそう話した。

俺達は四辻に視線を向ける。

四辻は俺達を睨んでいた。

「どんな世界であれ。私達は変わらない」と。

そう言ってから四辻は歩いて行く。

皆月も無言のまま俺達をチラ見してから四辻と行く。


俺はその姿を厳しい眼差しで見送ってから楓と那奈さんを見てみる。

楓は溜息を吐きながら「やれやれ」と言わんばかりの感じになっていた。

那奈さんは複雑な感じで俯く。

俺はその姿を見つつ「...」と考えながら皆月達の去った方角を見ていた。



皆月達との小競り合いから俺は家に帰る。

それから俺は自室で天井を見上げる。

皆月...四辻。

これからアイツらとどう関わるべきか。

皆月を倒す...というか復讐は楽じゃなくなってきた。

困ったものだとは思う。

俺は考えながらベッドに移動した。


「クソッタレだな」


そんな事を呟きながらシミが少しだけ有るような真白な天井から視線を外してからスマホを見る。

するとそこに那奈さんからメッセージが入って来た。

俺はメッセージを見てみる。

そこにこう書かれていた。


(今日はすいませんでした。完全な私のミスです。まさか四辻があそこまで際立つ策略家だとは思いませんでしたから)


そう書いてきていた。

俺は(だろうな。前世まで想定する知能犯は...予想外と言うか本当に頭が良すぎるな。いや、カンが良いのかどうか)と文章を打ってから送信する。

那奈さんは(ですね...)と書いてくる。

その言葉を見ながら俺は(そういえば)と送信する。

それから(身体に何か異変とか起こってないか?)と書いた。


(身体に異変ですか?)

(ああ。...神様が弄ったからさ)

(そうですね。明確な異変としては...千里眼が使えなくなりましたね)


俺は「!!!」となりながら(マジか)と書く。

すると那奈さんは(そうですね。何をしたか知りませんけど)と書いてくる。

その言葉に(大丈夫なのか)と打った。

那奈さんは(大丈夫でしょう。多分。だけどこれで私も普通の人ですね)と記載してくる。

俺は(そうだな。ただの一般人だ)と書いた。


(私は良いんです。もう意味無いですし。四辻にも...計画がバレましたしね)

(そうだな...)

(神様が何をしたか知りませんけど。私は普通になれた)

(前向きに考えれるのが凄いな)

(後ろ向きに考えても仕方がないだけです)

(そうか)


そして俺はスマホを弄りながら体勢を変える。

それから(那奈さん。復讐はどうする)聞いた。

すると那奈さんは(今は下手に動かない方が良いんじゃないですかね)と書いてから(神様が何をしたか知りませんので)と書いてきた。

俺はその文章を読んでいると電話がかかってきた。

080から。


「?...もしもし」


そう言うと「もしもし。神様じゃが」と相手が言う。

中年男性の声。

つまりまた操ってんのかコイツ。

そう思いながら「神様。誰を操っているのでも良いけどさ。アンタ...何をしたんだ俺達に」と聞いてみる。

すると神様は「主に千里眼を渡した」と答えた。

俺は「は?」と絶句する。


「まあなんというか那奈では千里眼の本質を使えない。その為にお前に譲り渡した形にしたのじゃ」

「は?...じゃあなにか。俺が千里眼を使えると?」

「そうじゃな。...目を閉じて手を心の中で合わせて祈ってみろ」


俺は言われるがままに目を閉じる。

そして手を合わせて祈ってみると母親が見えた。

家族が見える。

隣の家の中も全てが見える。

つまり。


「...まさかこんな真似をするとは」

「まあお楽しみはまだあるがのう」

「これ以外に何があるんだ」

「ワシは人を弄ぶのが好きでね」

「...何をした」

「お前も知っておろう。世界が変わった際の世界線の歪みを」

「...それは内藤の事か」

「そうじゃな。それを利用して...」


それからニヤッとする様に「...四辻にも神の能力を授けた」と話した。

「何...」と絶句しながら「オイつまりどういう」と言ったところで電話が切れた。

「ではのう」と言ってから。

信じられない事を。


「...」


俺は再コールしたが電話は繋がらない。

思念を解除したらしい。

クソめが。

そう思いながら俺は電話して那奈さんに事情を説明した。

すると那奈さんは「そういう事ですか...」と納得していた。


「...困りましたね」

「四辻に能力って神様は何を考えているんだ。遊んでいるにしてもクソッタレか」

「...とりあえず先輩。一旦集合しましょう。それから考えましょう」


それから俺は静かにスマホを仕舞ってから立ち上がる。

そして上着を着てから外に出た。

近所の公園に向かうと楓と那奈さんが居た。

俺は「...」となりつつ近付く。

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(応募検討中)俺は幼馴染に裏切られて学校中に悪者にされ自殺した。そして何故か前世の記憶を持った(後輩)が出現した。 楽(がく) @tanakasaburou

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