湿った空気感と緊張感が最後まで貫かれていて、短編ながら読みごたえ十分。女の「嘘」の奥にある愛情や歪んだ衝動がじわじわと浮かび上がり、ラストの余韻がとても印象的でした。法廷劇と人間ドラマのバランスが巧みで、読後に考えさせられる一作です。