処刑前に最期の言葉を。社会の最底辺の少女が幸せになった話
烏江
プロローグ:神の加護
「いつ終わるのかしらねえ」
カフェのテラス席で、ゆったりした服を着た女性が言うと、向かいで新聞を広げていたスーツの男性が、持っていた新聞を裏返した。
「ああ、これか」
それは木でも壁でも、何でも食べられるという食神の加護を授かった、食神の民に関する記事だった。
「怖いのよね、だって人だって食べられるんでしょう?」
「うーん」
女性と揃いの指輪をした男性は、曖昧な返事をして、さっきまで読んでいた記事に目を戻していた。
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